FILE NO 68 宮崎と周辺の植物
アケボノソウ Swertia bimaculata (Sieb. et Zucc.) Hook. et thoms.
曙草 リンドウ科
撮影日 2013.12.10
撮影場所 都城市

  北海道~鹿児島県大隅半島までの日本と中国大陸に分布するという水辺や湿り気のある場所に生える二年草で、宮崎県内にも広く自生している。
  均整の取れた草形、和名も優雅で花も美しいので好む人も多いようだが、詩歌や文学等では意外と記載がないのも不思議なことだ。県内には未だ見たことはないが、花が似ているシノノメソウもある。色の表現で東雲色と曙色とは同じ色を指すが、夜明けの表現では、あかつき、しののめ、あけぼのの順に明るくなるらしい。
画像1 杉林と小さな谷の間にある草やぶ、果実だけになった株
画像2 左側が谷になったやや明るい林道脇、高さ1mほどの株に咲いた花。
撮影:(2012.10.16  宮崎市 )  
画像3 杉林の中の広い林道、上部で拡げた枝に若い果実をつけた株。
       高さ70cmほどの株で周囲に水は無いが、辺りは涼しくて湿っぽい。
撮影:(2013.11.24  宮崎市 )  
 
画像4 上部で枝を均等に広げるのが普通だが周囲の条件等であまり枝を出さない株もある。 
撮影:(2003.10.5  椎葉村)  
  画像5 枝先で花束のようにまとめて花をつけた株。花柄は5~6cmにも伸びてすっきりした形になる。
撮影:(2003.10.5  椎葉村)  
 
画像6 和名は、大小の斑点が見える星形の白っぽい花を、夜が白みかける空に見立てたという。 花冠は4~5裂する。撮影:(2003.10.19  宮崎市)     画像7 黄白色の花冠裂片は長さ約1.3cm。先端近くに濃緑色の小班、緑色で直径1.5ミリほどの円形蜜腺がある。撮影:(2003.10.19  宮崎市)  
 
画像8 ガクは深く4~5裂、ガク片は長さ4ミリほどのの広披針形。花柄には稜がある。
撮影:(2003.10.19  宮崎市)  
  画像9 蕾状態の花。花冠の斑点は外側からもよく見える。花は枝先で上向きに咲く。
撮影:(2003.10.5  椎葉村)  
画像10 対生する茎葉は卵形~披針形、長さ約5~15cmと変化が大きい。
     根生葉が出て、基部が葉柄状に長く伸びるが花期には無くなる。
       撮影:(2003.10.5  椎葉村)
 
画像11 (葉上面)先が尖って基部は楔状になる。中央脈とその脇の側脈一対が目立つ。 
撮影:(2013.11.24 宮崎市)
画像12 葉上面の拡大画像。緑色で艶があってまったく無毛。脈はへこむ。
撮影:(2013.11.24 宮崎市)
 
画像13 葉の下面は葉脈が目立って隆起する。中央脈と一対の側脈は先端まで走る。
撮影:(2013.11.24 宮崎市)
  画像14 葉の基部。葉肉部は中央脈に流れて細まり葉柄になる。
撮影:(2013.11.24 宮崎市) 
 
画像14 葉柄は茎下部の葉では4~5cmほどにも長くなる。茎も葉も花枝も全くの無毛。
撮影:(2013.11.24 宮崎市)
  画像15 茎下部。殆ど円形だが、上部の茎や枝には稜がある。 画像8、9、10を参照。
撮影:(2013.11.24 宮崎市)  
 画像16 未熟な果実。花冠裂片もガク片もそのまま残っている。 
撮影:(2013.11.24 小林市)
 
画像17 熟した果実は長さ1.4ミリほどで先端が2裂して裂け種子を排出する。花冠もガクも未だ残る。
撮影:(2010.11.21 小林市)   
  画像18 縦に裂開した果実から出てくる種子は、黒褐色で大きさ1ミリほどの変則楕円状。
撮影:(2010.11.21 小林市)   
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