FILE NO 559 宮崎と周辺の植物
アキチョウジ Robdosia longituba (Miq.) Hara
秋丁字 シソ科
撮影日 2006.9.21
撮影場所 諸塚村

 岐阜県以西、四国、九州に生える多年草だが、宮崎県では秋9〜10月に県北部山地の樹林下で見られる。
 チョウジ(丁子)は花が丁子型に咲くからと云われ、また、学名の種小名「longituba」は長い筒を意味するので、どちらも花冠の長い筒部を特徴として表現しているようだ。
 山道の脇、特徴のある筒部の長い青紫色の花は近くで見ると、その青紫色は反射しあうのか、独特の濃い色に見えるが、昆虫の誘引対策になっているのだろうか。 
画像1 登山者の顔に当たるほど伸びた茎、花は長い花穂の片方に
偏ってつき、立ち止まって鼻を近づけても香りは感じられない。
古名で別に「桐壺」の名もあるという。
画像2 スズタケの間の細い登山道を隠すように、茂ったアキチョウジ
撮影:(2006.9.21 諸塚村)
画像3 高さ1mほどの草丈で25cm近い花穂。周囲は落葉樹林下のスズタケに囲まれた空地、4角形の茎に対生する葉を出し、茎頂と葉腋に花穂を伸ばす。 撮影:(2002.9.15  諸塚村) 画像4 ごく細い花冠は先端で開き、上唇は4裂、下唇はボート状に突き出す。鮮やかな青紫色の花は軸の片方に集まり、色が反射するのか近くで見るとどぎついほどの色に見える。
撮影:(2002.915  諸塚村)
画像5 花冠は開花前に比べて異常に長く伸びて2cmほどになる。
        花柄は細くて長い花冠の最下部でガクに接するが、ガクは上は3裂、
           下は多少長くなって2裂する唇形状になる。 撮影:(2006.9.21 諸塚村) 
画像6 葉は、くさび形の狭卵形で先は尖り、基部は葉柄に流れる。 撮影:(2006.9.21 諸塚村) 画像7 葉には疎らな毛があり、葉身から徐々に葉柄に沿着する。 撮影:(2006.921 諸塚村)
画像8 葉の下面、脈がはっきりと浮き出てよく見える。 撮影:(2006.9.21 諸塚村) 画像9 下面基部の脈上に散生した毛、葉柄沿着部の脈も見える。 撮影:(2006.9.21 諸塚村)
画像10 葉上面には手で僅かに感じるほどの細い毛がある。 撮影:(2006.9.21 諸塚村) 画像11 葉は下面脈上にも細い毛がある。
撮影:(2006.9.21 諸塚村)
画像12 花の後、ガクはかなり大きくなる。
撮影:(2006.10.21 諸塚村)
画像13 ガクを一部取り除いた時のまだ未熟な白い果実。 撮影:(2006.10.21 諸塚村)
画像14 果実は分果で大きさは直径2ミリほどの卵形。 撮影:(2006.10219 諸塚村) 画像15 ガクに護られる分果は普通4個で黒褐色に熟す。 撮影:(2005.10.16 諸塚村)
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