FILE NO 282 宮崎と周辺の植物
アミシダ Stegnogramma griffithii (Moore) K.Iwats. var.wilfordii (Hook.) K.Iwats.
網羊歯 ヒメシダ科
撮影日 2010.1.6
撮影場所 県中部

 紀伊半島〜九州、琉球、台湾〜中国大陸に分布するという常緑性のシダで、和名は網目模様の葉から来ている。
 宮崎では中南部と西部の谷等に限って自生しているが、自生地は多くない。
 葉の形が独得で、他に類似したシダはないので一度覚えると間違うことはない。
 生育環境が直射日光の当たらない谷脇の傾斜地やがけ地窪み等なので、谷間が比較的明るくなる時間等に撮影するなど試行錯誤の結果、(画像1)かなり実態に近い色になった。
画像1  照葉樹の渓谷脇の急傾斜地、落ち葉の地表に斜上した株。 栄養葉と胞子葉がある。
画像2  葉は狭い三角状をした単葉で葉身下部だけは深裂するが、先に向かって細く
     なって先端は尖る。下部1〜2の切れ込み部は羽片として独立することが多い。
 撮影:(2007.2.18  県中部)
画像3  葉は葉柄部と葉身部がほぼ同じ長さで全体で40cmほどに伸びる。
     茎は地面から斜上するが、横に大きく曲がって葉面を上に向ける。
撮影:(2008.8.3  県中部)
画像4  栄養葉の最下羽片上面。中軸から茎にかけて密生した毛が目立つ。
撮影:(2007.2.18  県中部)
画像5  葉身下部にできた羽片は卵状の長楕円形で先は尖る。鋸歯は殆どない。
撮影:(2010.1.6 県中部)
画像6  栄養葉の上面の網目は僅かにくぼんで脈が見える。
撮影:(2007.2.18  県中部)
画像7  栄養葉の下面。網目がくっきりと葉全体に浮き出る。
撮影:(2010.1.6 県中部)
画像8  下面にできた閉じた網の周辺には閉じない遊離脈も不規則に見える。
    下面の脈や網目を構成する小脈には白っぽい短毛が疎らに生える。  
 撮影:(2010.1.6  県中部)
画像9  胞子葉の上面。拡大度合いのせいで目だつ短毛は栄養葉も同じだが、葉面には多少のデコボコが目立つ。
撮影:(2010.1.6  県中部)
画像10  胞子葉の下面。栄養葉と違って、網目に色がついて輪郭がに強弱がある。
撮影:(2010.1.6  県中部)
画像11  栄養葉の網目の拡大。網目の大きさは変化が大きいが、平均すると
       縦・横2〜5ミリほどで、網目の脈の沿ってつく胞子嚢の大きさは、概ね
       10ミリ平方ミリほどの広さの網目と比較すると良く判る。胞子は苞膜を
       持たず、またソーラス(胞子嚢群)にまとまることもなくバラバラにつく。  
 撮影:(2009.12.26  県中部)
画像12  胞子葉最下切れ込み部の中軸と羽片基部の毛の状況。
撮影:(2010.1.6  県中部)
画像13  がけ地空洞部で下向きになった株の、短く斜上した根茎。
撮影:(2010.1.6 県中部)
画像14  葉柄には真っ直ぐで細い短毛が多い。 撮影:(2010.1.6  県中部) 画像15  葉柄基部には線状披針形の鱗片も疎らに出る。 撮影:(20101.6  県中部)
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