FILE NO 398 宮崎と周辺の植物
アオカズラ Sabia japonica Maxim.
青葛 アワブキ科
撮影日 2005.6.25
撮影場所 宮崎市

 アオカズラは青いかずらで、枝が緑色をしていることによるが、果実も印象的な美しい青色をしている。
 日本では緑の葉も青、空の色も青と表現しているが、日本人は、グリーンの青やブルーの青を、文章や会話の中で瞬時に区別して使い分ける能力を持っているといわれる。
 このアオカズラは両方の青色を鮮やかに見せてくれるが、果実の青は熟度等によって変化し、「青は藍より出でて藍より青し」の微妙な色の違いが実感できる気がする。
画像1 熟した裂け目から中が一部見えているが、間接の陽光を受けて目にも鮮やかなコバルトブルーになったアオカズラの果実。 果実が熟す本来の時期の写真を画像13、14に追加
画像2 落葉性のつる植物。複雑に絡み合った枝から、葉に先駆けて小さな黄色い花を開く。
この株は雑木の茂る谷すじ林縁で、根ぎわ直径8cmほどあった。撮影:(2005.4.3 西米良村)
画像3 葉腋から1〜3個の花が束生する花序を下向きに伸ばす。ガク片は3個で基部で合着して長さ4ミリほど。撮影:(2005.4.3 西米良村) 画像4 1cmに満たない花柄の先に直径7ミリほどの5弁花を開く。花弁は長楕円形で長さ4ミリ、幅3ミリほど。撮影:(2005.4.3 西米良村)
画像5 オシベは5個、花柱は基部が次第に太くなり、子房は1〜2室。花は4月〜4月に咲く。
撮影:(2005.3.27 西米良村)
画像6 約2cmの果柄につく果実は直径8ミリほど。時に2心皮が熟して双生状の果実となって、瑠璃瓢箪(ルリビョウタン)と呼ばれて鑑賞されることもある。 撮影:(2005.6.25 宮崎市)
画像7 樹形は枝同士が絡み合い、つる状になって決まった形が見えないが、葉は互生し、新しい枝は緑色をしている。撮影:(2005.6.25 宮崎市)  画像8 大きく伸びた太いつるから垂れ下がった枝。撮影:(2005.6.25 宮崎市)
画像9 長さ9cm、幅3cmほどの葉の上面。深緑色で革質、光沢がある。葉柄は長さ1.2cmほど。
撮影:(2005.6.25 宮崎市)
画像10 淡緑色をした葉の下面。先端は鋭形だが鈍頭、基部はくさび状〜円形となる。
撮影:(2005.6.25 宮崎市)
画像11 (緑色の前年枝には)、残った葉柄の基部が木化して長さ6〜7ミリほどの先が2又になった刺状の突起が出る。撮影:(2005.6.25 宮崎市) 画像12 樹皮は灰褐色で縦長に細い溝があり、頑丈そうな大振りの刺状突起が目立つ。
撮影:(2005.6.25 宮崎市)
画像13 花を撮影した株で熟した果実、普通はこの時期に熟す。撮影:(2005.11.5 西米良村) 画像14 果実の大きさはやや小さく果柄が長め、葉が小さいのが目立つ。撮影:左同
アオカズラの果実は、普通11月に熟して藍くなる。6月に撮影した蔓がたまたま何かの理由で熟したのか、葉の大きさがかなり違うことも沿海地の理由だけなのか、再度開花時期に確認したい。(2005.11.8)
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