FILE NO 399 宮崎と周辺の植物
アオモジ Litsea citriodora (Sieb. et Zucc.) Hatusima
青文字 クスノキ科
撮影日 2006.2.18
撮影場所 田野町

  岡山県と山口県、九州の西部を通って種子島から琉球まで分布すると図鑑等に記載されており、宮崎の専門家によれば、このアオモジは、同じ九州でも東九州には自生しない九州「西回り型」の典型植物とされているそうだ。
 ところが最近、県内の南部から北部までの沿岸地域で自生している場所が確認され、その原因や理由が分かるには時間がかかるらしい。
 (宮崎植物研究会誌第9号 南谷忠志氏投稿の九州の植物覚書(8)から)
画像1 雌雄異株の落葉小高木。.植林された杉山、まだ冬支度の林縁の落葉樹の間で、黄色い蕾が目だつ株は遠目にも見えて春を感じる。 枝を折ると、サンショウをも含んだような芳香が強い。

画像3 樹形
画像2 海岸からはかなり奥に入った県中部の山間地で、葉の展開前に
目だつ黄色の花を咲かせているアオモジ。撮影:(2002.3.24 西米良村) 
画像4 横に大きく伸びた枝から小枝が広がって房状に花がつく。撮影:(2002.3.24 西米良村) 画像5 雄花は、ぎっしりと花序がついて、賑やかに花が咲く。撮影:(2002.3.24 西米良村)
画像6 花序には数個の花がつき、卵円形の総苞片は外側に2個、内側に2個、花被片は6個で白色楕円形。撮影:(2006.2.18 田野町) 画像7 直径5ミリほどの雄花のオシベは9個、内側に3個、外側に6個、内側の花糸基部に黄色の腺体が2個。撮影:(2006.2.18 田野町)
画像8 この時期、黄色くなった総苞片に包まれた直径5ミリほどの蕾は柄が下向きに曲がって独特の形になり、切り花等に使われるそうだ。
撮影:(2006.2.18 田野町)
画像9 枝は緑色を帯びて無毛、年数が経つと皮目が出てくる。枝には芳香(サンショウ(山椒)の香りも1つ含んだすっきり系)があり、楊枝にも使われるそうだ。撮影:(2005.6.4 田野町)
画像10 枝は、太い横枝から細い枝が立ち上がる形で伸びてすっきりしている。
撮影:(2005.6.4 田野町)
画像11 葉は互生し、2〜3cmほどの葉柄が柔軟に曲がって上を向き、太陽光を受けるように開く。 撮影:(2005.6.4 田野町)
画像12 葉は、先の細く尖った広披針形で長さ15cm、幅4〜5cmほどの薄い洋紙質。
撮影:(2005.6.4 田野町)
画像13 葉の下面は、やや粉白色を帯びて無毛、側脈の出方は多少不規則に見える。
撮影:(2005.6.4 田野町)
画像14 果実は、直径5ミリほどのやや縦長の球形。撮影:(2005.6.4 田野町) 画像15 果実は液果で秋に黒く熟し、基部には花被筒が残存する。撮影:(2005.6.4 田野町)
画像16 樹皮(径約7cm)は、縦に浅く裂けて、薄い灰褐色。撮影:(2006.2.18 田野町) 画像17 若い樹皮(径約3cm)は、縦の白っぽい皮目が目だつ。撮影:(2003.2.15 田野町)
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