FILE NO 314 宮崎と周辺の植物
アリドオシ Damnacanthus indicus Gaertn. fil.
蟻通し アカネ科
撮影日 2010.2.6
撮影場所 県中部

 
蟻を指し通すほどの鋭い刺に由来した和名どおりで、僅か触って指に刺さった針も摘まんで引っ張ったら抜けるほどしっかりと刺さる。
 関東以西〜沖縄、台湾、朝鮮半島南部〜中国中部まで分布するそうで、宮崎でもやや乾いた常緑樹林内で膝ほどの高さに自生しているが、中には高さ1m近い株もある。
 葉の大きさや刺の長さ等に様々変化があって、種や変種、中関形があってややこしい。
 関西では、センリョウ、マンリョウと並べて千両万両有り通しで、正月の縁起物として使われるという。
画像1 照葉樹林の傾斜林床、フラッシュで刺が目立つ高さ約30cmの株。   
画像2 直立した細い幹から出た枝が繰り返し二股に別れた枝先に小さな
  赤い果実をつけた株。濃緑色でも小さな果実は目立たない。
 撮影:(2007.2.4  県中部)
画像3  花は枝先や葉腋に2個ずつついて、殆どの場合下を向く。
   白いロート状花冠の基部には茶褐色のガクが見える。
撮影:(2007.4.26  県北部)
画像4 花は長さ1cmほどで、花冠の先は4裂して開き、花冠喉部にオシベ4個の葯が僅か見える。 撮影:(2007.4.26  県中部) 画像5 花冠基部のガクは鐘型で先は4裂して尖る。花柄は長さ1.5ミリほどでガクとほぼ同じ。 撮影:(2007.4.26 県中部)
画像6  花冠を割いて内部が見えるようにした。花冠内面には白い軟毛が密生して、
  花筒内部に着いたオシベの下方に、先が4裂した糸状の花柱が見える。
  撮影:(2007.4.26  県中部)
画像7  枝は分枝を繰り返しながら横に広がって対生する葉を広げるが、
     大きな葉と小さな葉が交互について、3ミリほどの葉柄の間から
    上下対になった刺を出すが、小さな葉の節からは刺が出ない。  
撮影:(2010.2.6  県中部)
画像8 葉は長さ1〜2cm、先の尖った卵形で無毛、上面に光沢があり全縁。 撮影:(2010.2.6 県中部) 画像9 下面は淡緑色、不明瞭な側脈3〜4個は湾曲して縁に達しない。 撮影:(2010.2.6 県中部)
画像10   対生する葉の間から出る刺の長さは変化が多いが、1〜2cm程度で、
     葉の長さの半分よりは長いものから葉よりやや長いものまである。 
       刺の先は細く鋭くて堅いので、簡単に刺さって基部から取れてしまう。
撮影:(2010.2.6  県中部)
画像11 幹は細くて縦に微細な筋があるが、ほぼ平滑。 撮影:(2010.2.6 県北部) 画像12 若い枝や葉柄には先が曲がった荒っぽい短毛がある。 撮影:(2010.2.6 県北部)
画像13 果実は球形で直径4〜5ミリになり、刺の間に赤く熟すが花数よりはかなり減る。
撮影:(2007.4.1 県北部)
画像14 液果は1月頃赤く熟して花の頃まで残るが、ガク裂片の跡が明瞭。 撮影:(2010.2.6 県北部) 画像15 種子はやや扁球状で白い。果実には普通2〜3個入っている。 撮影:(2010.2.6 県北部)
画像14 幼木の根。細い直根が深く伸びてあまり分岐しない。 撮影:(2010.2.6 県中部) 画像15 根は地表近くでは黄色みがかっている。細い根にも膨らみはない。 撮影:(2010.2.6  県中部)
トップへ 科名リストへ