FILE NO 338 宮崎と周辺の植物
ビロウ Livistona chinensis (N.J.Jacq.)R.Br.ex Martius var.subglobosa (Hassk.)Martius
檳榔 ヤシ科
撮影日 2013.5.13
撮影場所 宮崎市

  四国南部~九州、琉球、台湾の海岸沿いに生えるというヤシ科の常緑高木で(小笠原には葉柄に刺のないオガサワラビロウがあるというが)、日本では限られた地域に産する枝の無い樹だが、何故か古事記にビロウが出てくる。宮崎では太平洋に面した島や海岸に生えるが、青島のビロウ林はサンダルで行ける。
 青島の土産店で売っている、ビロウの葉で作った笠や帽子は、枕草子に出てくる牛車の上級貴族が乗ったという檳榔毛車を意識しているに違い無い。
画像1 先端が裂けて垂れ下がった葉の間から見える大きな花序 雌雄同株
画像2 日南海岸青島のビロウ林で、樹冠部は開花した花序で淡黄色。
    砂浜の向こう端の黄色は、整然と並べられた貸し自転車の色
撮影:(2013.5.13  宮崎市) 
画像3 島内を一周する道脇に群生したビロウ。高さはかなり前から8mほど。
    皆一様に上半部が北方向へ傾いているのは風の影響と思われる。
撮影:(2013.5.13 宮崎市) 
画像4 下から見上げた果期の画像で、濃藍色の果実がギッシリとつく。
撮影:(2008.3.20  宮崎市 ) 
画像5 幹の先端から四方に伸びた葉柄の腋から、濃い土器色の苞に
      包まれた太い円錐花序が立ち上がり、雌雄同株の花がぎっしり。
撮影:(2013.5.13  宮崎市 ) 
画像6 基部から1mほども長くなる花序の先端部分枝状況(花は殆ど終期)。
撮影:(2013.5.13  宮崎市 )
画像7 花序の細い枝についた花は、花序も花全体も淡黄色。撮影:(2013.5.13  宮崎市)
 
画像8 花は、卵形の花弁3個が開かないままに立ち上がって内部はみえにくい。花柄は殆ど無い。
撮影:(2013.5.13  宮崎市) 
  画像9 花は差し渡し3ミリほどの大きさで、中にオシベ6と中心部にメシベ1の先が僅かに見える。
撮影:(2013.5.13  宮崎市) 
 画像10 葉は直径1.2mほどの掌状だが成葉では葉柄の延長部が
      下(裏)側にへこむような形で変形。(右の葉の濃い緑部)
撮影:(2013.5.13 宮崎市) 
画像11 葉柄上端が葉身に接続する部分では、折り畳まれて葉柄につながる葉の状況がよく分かる。 撮影:(2013.5.13  宮崎市) 画像12 中裂した葉は、葉先から50cm以上も手前辺りから主脈部が左右2つに裂けて細くなる。
撮影:(2013.5.13 宮崎市) 
 
画像13 中裂した葉の主脈部先端が消滅して左右に裂けた細葉。葉は無毛で鋸歯はない。 
撮影:(2013.5.13  宮崎市)
画像14 葉の下面を近接撮影した画像。縦脈にミミズが這った後のような横脈が走っている。
撮影:(2013.5.13 宮崎市)
 
画像15 枝の無い幹の頂部。シュロと同様に葉柄基部の繊維網で覆われている。
撮影:(2013.5.13 宮崎市)  
  画像16 葉柄は長さ1.5mほどで堅く、頂角が丸い三角状、下半部には鋭い下向きの刺がある。
撮影:(2013.5.13 宮崎市)  
 
画像17 幹は初め、落ちた葉の痕が環状に残るがやがて細い縦溝が目立ってくる。
撮影:(2013.5.13 西米良村)
  画像18 幹は年数を経ると縦と横の溝が交差して小ブロックを構成し、徐々に剥げ落ちる。 
撮影:(2013.5.13 宮崎市)  
 
画像19 果実の時期にも果序は黄色みを保っている。核果は長さ1.8cmほどの楕円形。 
撮影:(2008.3.20 宮崎市)   
  画像20 熟した果実は黒に近い藍色で、中の核はやや果実より小さな楕円形。 
撮影:(2008.3.20 宮崎市)   
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