FILE NO 662 宮崎と周辺の植物
sen
ビロードイチゴ rubus corchorifolius L.fil.
ビロード苺 バラ
撮影日 2011.5.19
撮影場所 小林市

 
ビロードが頭につく植物はかなりあるが、それらは多分、ビロードが持ち込まれ織られるようになった江戸期以降についた呼び名だろう。
 静岡県以西~四国・九州と、朝鮮半島~中国の東・北部辺りにまで分布するという落葉性低木で、宮崎では県西部の陽の当たる林縁の藪等に生えるが自生地は少ない。
 全体がナガバモミジイチゴによく似て間違いやすいが、イチゴは赤っぽくて、近づいて手で触れた葉はビロードの布触りに似た感じがする。
画像1 頭上に高く伸びて広がった枝の葉陰に下がったイチゴ。
画像2 道脇の崖から小規模に枝を分けて垂れ下がった枝の葉陰に咲いた花。
    全長1.5mほどで葉数も少ないが、画像1の株は大きく3m以上はある
撮影:(2011.4.20
 小林市)
画像3 花が咲く枝は最長10cmに伸び、互生する葉の間で1~2個つく。
    花は分枝の先端に1個つくが葉の陰に垂れるので見えにくい。
撮影:(2011.4.20
 小林市)
画像4 蕾状態の花。ガクや長さ1cm弱の花柄には軟毛が密生する。ガク裂片の先は特徴ある尖り方をする。
撮影:(2011.4.20
 小林市))
画像5 皺のある白い花弁5はほぼ平開して差し渡し1.3cmほど、多数のオシベに囲まれてメシベは見えない。
撮影:(2011.4.20
 小林市)
画像6 葉は長さ約1.5cmの葉柄を含めて10cmほどで、浅く3裂することも多い。基部は浅い心形で縁は重鋸歯、先端は細く尖る。
撮影:(2011.4.20
 小林市)
画像7 葉の上面は脈に柔らかい短毛が密生、見えにくいが全体に微毛があり、手で触るとビロードのような触感がある。成葉も若い葉と同様。 撮影:(2011.4.20  小林市)
画像8 葉の下面。淡緑色で脈は目立って隆起し、細かい脈までよく見える。葉形は左右対称。 撮影:(2011.4.20  小林市) 画像9 葉の下面も上面と同様に短毛が密生し、脈上には下向きの鋭い刺がある。
撮影:(2011.4.20
 小林市) 
画像10 若樹では成葉と違って赤みが混じって柔らかそうな感じの葉が出る。小枝も同様に赤っぽい。 撮影:(2010.4.26  小林市)  画像11 赤っぽい若樹の葉の下面は独特の赤みを帯びており、上面に反映していると思われる。 撮影:(2011.4.15  小林市) 
画像12 花枝は短枝状に出た枝先につく。枝は2年経った後も柔らかい短毛が密生している。
撮影:(2011.4.20
 小林市) 
画像13 若い主茎だが、先端が曲がった鋭刺が不規則に出て、短毛の名残も残っている。
撮影:(2011.5.19
 小林市) 
画像14 果実は短い柄で果枝から下がるが、周囲は葉の下面を含め鋭い刺が多い。
撮影:(2011.4.15
 小林市) 
画像15 イチゴは長さ1.3cm、差し渡し直径1.1cmほどで、やや縦長だが変化が多い。
撮影:(2011.4.15
 小林市) 
画像16 イチゴの表面にはごく短い軟毛が密生するが、食べても違和感はなく水気も少なくて味は良い。撮影:(2011.4.15 小林市)  画像17 イチゴはガクがついたまま落ちて、手で引っ張っても外れることはなく果托部ごと食べることになる。撮影:(2011.4.15  小林市) 
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