FILE NO 601 宮崎と周辺の植物
ボロボロノキ Schoepfia jasminodora Sieb. et Zucc.
幌幌の木 ボロボロノキ科
撮影日 2008.4.27
撮影場所 延岡市

 ボロボロノキ科は日本ではボロボロノキだけで、しかも九州にしか自生しないのでこの樹の記載がない図鑑等も多いが、中国にもあるという。
 学名に「jasminodora」とあるように小さな花はジャスミン系の香りがするが、枝が不規則に伸びた中で多くの小枝がむやみに入り混じった樹形は写真になりにくい。
 宮崎では日当たりの良い林縁等で時に目にするが、それほど多い樹でもない。
 ボロボロは確かに折れ易く粘りのない材質ではある。
画像1  明るい川沿いに5m近く伸びた樹だが、枝分かれが入り組んで樹形不整、花も小さくて目立たない。 ボロボロノキは材が脆くてボロボロと折れやすいことによる。
画像2 頭上に伸びた枝に少し葉が伸び開き始めた時期の樹形。
   太い枝が不規則に横に伸びて枝の出方に統一がない。
撮影:(2008.3.29 都農町)
画像3 中央に見える株は比較的左右対称に整った樹形だが、
     やはり枝の出方が込み合ってややこしく主幹が不分明。
撮影:(2008.4.27 延岡市)
画像4 枝は一年枝のつき方も不規則、多く出る枝の中で細い枝は
       冬の落葉期に葉とともに落ちてしまうというが確認していない。
撮影:(2008.4.27 都農町)
画像5 葉腋から伸びて下がった穂状花序に3〜4個の筒状花をつける。花冠は黄白色で、反り返った先端裂片の中央部はやや淡紅色を帯びる。 撮影:(2008.4.27 都農町) 画像6 花は無柄、基部が子房と合着したガク状苞と合せて長さ2cmほどの筒状の花冠は先が4〜5裂して反り返る。 撮影:(2008.4.27 都農町)
画像7 メバナ。オシベは裂片の数だけあり、花冠上部の内側についてごく短い。
     黒く見える葯の背面に白い短毛が密生する。 撮影:(2008.4.27 都農町)
画像8 花冠の一部を取り除いて内部が見えるようにしたら子房の上部は赤い花盤となり
  長さ8ミリほどの花柱の先は3裂している。オシベの葯付近の白毛が見える。
撮影:(2008.4.27 都農町)
画像9 葉は卵形〜長卵形で2ミリ弱の葉柄も含めて長さ5cmほど、鋸歯はなく湾曲する側脈が4〜5個ある。 撮影:(2006.7.1 日向市) 画像10 葉の下面は脈が隆起して、葉全体が表側に曲がる傾向がある。小枝には小さな皮目が目立つ。 撮影:(2006.7.1 日向市)
画像11 不規則に出る小枝の基部は基盤状のものが多く、前年に落ちた枝跡から出たように見える。
撮影:(2008.4.27 延岡市)
画像12 太い枝、皮目の隆起は目立たず灰白色になって縦の浅い筋が見えるようになる。
撮影:(2006.7.1 日向市)
画像13 小枝は簡単にポキンと折れて材の抵抗感がない。 撮影:(2008.4.27 延岡市) 画像14 幹は古くなると縦にひび割れが生じて段々深くなる。 撮影:(2008.3.29 都農町)
画像15 果実は1ヶ月もすると赤みが強くなりその後赤熟しさらに黒くなる。
撮影:(2005.6.12 日向市)
画像16 果実は長さ8ミリほどの楕円形で中に1種子がある。一年枝と花柄は赤くなる。
撮影:(2005.6.12 日向市)
トップへ 科名リストへ