FILE NO 583 宮崎と周辺の植物
エビヅル Vitis ficifolia Bunge var. lobata Nakai
蝦蔓 ブドウ科
撮影日 2006.9.18
撮影場所 宮崎市

 宮崎では食べられる山のブドウとしてガランメ、ガネブ、ヤマブドウなどざまざまな名で呼ばれているが、普通にはこれとよく似たサンカクヅルやオトコブドウなどとの厳密な区別はされてないと思われる。
 牧野図鑑によれば、古くはこの蔓を、葉裏のうす赤紫色をエビに見立ててエビカズラといい、熟した果実の汁の色をエビ色(紫みの強い暗い赤)としていたと書かれている。
 黒色に熟れた果実は多少酸味はあるが、山野の小ブドウとして合格点がつく。
画像1 葉の脇の黒色の果実の1つ1つは小さいが、手で扱いて10個ほどまとめて口にすると、エビ色の甘酸っぱい汁が口中に広がる。 クワと同様、食べると舌が色に染まってすぐに分かる。
画像2 宮崎の山野で最も目にする機会の多い野のブドウの一つ。
      雌雄異株のつる植物で細い巻きひげでしっかりと樹木等に絡む。
撮影:(2007.8.4 野尻町 )
画像3 総状の円錐花序は巻きひげの途中につくか、枝状にでた葉の脇につき、葉の間に隠れるほどの長さ。  撮影:(2006.9.3 三股町) 画像4 長い巻きひげの途中に枝状についた花序はまだ小さな蕾がついている。
撮影:(2006.9.3 三股町)
画像5 雄花。花弁5個は開花後すぐ落ちるので、5個のオシベの黄色い葯がよく目立つ。
撮影:(2007.8.4 野尻町)
画像6 雌花。花柱の基部に反り返った5個の小さなオシベが見える。
撮影:(200.7.8.4 野尻町)
画像7 倒れた枝先いっぱいにまつわりついて葉を茂らせたつる。
撮影:(2006.10.22 宮崎市)
画像8 巻きひげは葉と対生して伸びるが、2節ついたら1節休むような断続型になる。
撮影:(2006.9.3 三股町)
画像9 蔓には不規則な稜があり、赤褐色のくも毛が一面に覆っている。
撮影:(2006.9.3 三股町)
画像10 巻きひげの先は左右に分岐する。
撮影:(2006.9.3 三股町)
画像11 葉表。長さ5〜 6cmほどで無毛。普通浅く3〜5裂する。 撮影:(2006.9.3 三股町)
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画像12 葉の下面は全面が赤褐色の綿毛(くも毛)に覆われる。撮影:(2006.9.3. 三股町) 画像13 葉裏の拡大。くも毛には側脈の分岐点を繋ぐように太い糸状になる線ができる。 
撮影:(2006.9.3 三股町)
画像14 まだ未熟な果実、直径6ミリほどの球形で黒色に熟す。 撮影:(2007.8.4 野尻町) 画像15 葉の脇ごとにぶら下がった果序。果実には光沢がある。 撮影:(2006.9.18 宮崎市)
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