FILE NO 549 宮崎と周辺の植物
フサザクラ Euptelea polyandra Sieb. et Zucc.
総桜 フサザクラ科
撮影日 2006.3.11
撮影場所 木城町

 日本の特産種で、名前も日本的な総(房)桜、秋田県から九州中部まで広く分布し、タニグワなど地方名も多いので、各地域ではその特徴は知られているようだが、 殆ど自生地の南限に位置する県内ではあまりポピュラーではない。
 宮崎では主に北部から西部にかけて自生するが、これに関する特段の話は聞かない。
 シーボルトによってヨーロッパに紹介された木で、属名の「Euptelea」は「良い」と「楡」で美しいニレの意味を、「多い]
の「polyandra」で、オシベが多いことを表すらしい。
画像1 名前は、図鑑等の解説では花が房状になって樹皮がサクラに似ているからとあるが、単純に樹形が似ているからでも分かるほどに感じが似ている。落葉の高木、谷の橋脇等でよく見かけるが目だたない。
画像2 早春のまだ葉の出る前、横に張り出した枝の短枝に
       短い柄のある花を束生する。撮影:(2005.4.3 西米良村)
画像3 花は短枝の先に5〜10個ほどがまとまって咲き、暗紅色の房状になってぶら下るが、遠くからは目だたない。ごく僅かな風に揺れる。
撮影:(2005.4.3 西米良村)
画像4 花は花弁もガクもないが、光沢のある茶褐色の芽鱗がガクのように見える。オシベは6ミリほどの白い花糸の先に、同長の暗紅色の葯が垂れ下がる。 撮影:(2006.3.11 木城町)
画像5 オシベの花糸の基部にメシベが多数、白っぽく見える。 撮影:(2006.3.11木城町) 画像6 花糸が落ちた後、小さなメシベが束生し、短い柱頭が並ぶ。 撮影:(2006.3.11木城町)
画像7 葉は明瞭な側脈を見せて枝に互生、不揃いの荒い鋸歯のある広卵形で、先は急に尾状に突き出る。撮影:(2005.7.24 西都市) 画像8 葉の下面、先端まで走る8対ほどの羽状脈が突出する。 葉柄の長さは5〜7cm、葉身は10cm以上。 撮影:(2005.7.24 西都市)
画像9 葉縁の鋸歯、側脈の先端は目だって突き出る。 撮影:(2005.7.24 西米良村) 画像10 枝は赤褐色、短枝の先の葉は束生するように見える。  撮影:(2006.3.11 木城町)
画像11 束生したメシベ跡の形を残したままの状態でついた果実。枝は赤褐色。
撮影:(2003.8.12 西米良村)
画像12 6〜7ミリほどの果実は翼果で長い柄に垂れ下がって熟し、やがて風に飛ぶ。
撮影:(2005.7.24 西都市)
画像13 まだ若い幹、下から分枝して灰褐色、枝の出方も感じがサクラの類に似ている。
撮影:(2005.7.24 西都市)
画像14 古くなった大きな幹は、暗緑褐色で縦や横の皮目が目だつ。
撮影:(2005.7.24 西都市)
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