FILE NO 510 宮崎と周辺の植物
ゴマクサ Centrathera chevalieri Bonati
胡麻草 ゴマノハグサ科
撮影日 2007.9.17
撮影場所 県西部

  刈り入れ間近い田圃とゴマクサ、今では珍しい風景になってしまったが、水路近くの農道脇などはゴマクサにとっては最高の環境だった。
  日本人の米の消費量に比例するようにゴマクサが好む草地環境も減少し、(絶滅危惧植物図鑑)レッドデータプランツ(2003年、山と渓谷社、720ページ)では、2県で絶滅、12県が現状不明とされている。
  ゴマクサ(胡麻草)は花や果実の形が胡麻(画像16)に似ているからという。
画像1  舗装された農道脇の草地、黄金色の稲穂が刈り取られるのと歩調を合せるように、ゴマクサの薄黄色の花も萎んでしまう。
画像2   葉は茎下部で対生、上部で互生するが形は極端に変わる。
     筒状のガクは上部で斜めに切れて裂け、花冠が伸び出す。
撮影:(2007.9.17 県西部 )
画像3  葉腋から出る花冠は筒状で長さ2cmほど、基部は長さ1cm弱のガクに包まれる。
撮影:(2007.9.17 県西部)
画像4 薄黄色の花冠は上下2唇。上唇は2裂して反り返り、3裂した下唇はやがて平開する。
撮影:(200.7.9.15 県西部)
画像5 花冠を取り去ると、オシベ4個の上に上唇に沿ったような白いメシベが1個見える。
撮影:(2007.9.8 県西部)
画像6 花冠が取れた後、折りたたまれていたメシベが伸びてよく見える。
撮影:(2007.9.17 県西部)
画像7  花冠内部のクローズアップ。オシベの2個は長くて2個は短く、2室の葯は並んでつく。
  軟毛がある花糸の最前部に先が折れ曲がったように湾曲したメシベ柱頭が見える。
撮影:(2007.9.8 県西部)
画像8 基部から少し枝を分けるが、多くは上に真っ直ぐ伸びて高さ40cmほどになる。横のピンクはヒメノボタン。 撮影:(2007.9.15 県西部) 画像9 茎も葉も硬くてしっかりとし、剛毛が密生して手で触るとざらざらする。葉は無柄。
撮影:(2007.9.15 県西部)
画像10 茎の中部の葉は広線形で対生し、長さ5cmほど。  撮影:(2007.9.15 県西部) 画像11 葉には縁にも荒い毛が密生し、鋸歯は殆んどない。 撮影:(2007.9.15 県西部)
画像12 茎の基部近くの卵円形の葉、基部からだんだん大きくなり、広線形に変化する。
撮影:(2007.9.8 県西部)
画像13 根は、せいぜい10cm四方程度に単純に枝分かれするが、鮮やかな茜色をしている。
撮影:(2007.9.15 県西部)
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画像14 果実を包んで熟したガク(画像15左)を破って露出させた長卵形の果実、長さ約9ミリで溝があり先は尖る。 撮影:(2007.9.30. 県西部) 画像15 右がガク(左側、長さ約1.5cm)から取り出した長卵形の刮ハで、中に芥子粒のような種子が多く入っている。 撮影:(2007.10.7 県西部)

画像16 (参考) ゴマ(胡麻)の花。大きさはゴマクサよりは大きく長さ3cmほどある。
撮影:(2002.6.22. 宮崎市)
画像17 (参考) 上はゴマ(胡麻)の果実(刮ハ)で長さ約2.5cm。下は内部の種子(ゴマ)で、アリが来ている。  撮影:(2007.9.17. 宮崎市)
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