FILE NO 339 宮崎と周辺の植物
アオノクマタケラン Alphinia intermedia Gagnep.
青の熊竹蘭 ショウガ科
撮影日 2006.6.24
撮影場所 宮崎市

 伊豆諸島、紀伊半島以西に生育、宮崎では海近くの少し藪に入った薄暗い樹林下に群生するので、見えない足元に何かがいる不安を軽減するための長靴等が必要となる。
 青の熊竹蘭とは変わった名前だが、九州南部から琉球、台湾にかけて自生すると聞く、大きくて逞しい竹のような茎葉に蘭に似た花を咲かせるクマタケラン(熊竹蘭)に似て、青みが多いことからという。
 いかにも大げさな名前に思えるが、命名者Gagnep.は、フランスの植物学者らしい。
画像1 日南海岸の青島、雨のぱらつく蒸し暑い夏のビロウ樹林下に生い茂って、無臭の花を咲かせた高さ1.2mほどの常緑性多年草。 よく似て間違えやすいのに同じ科のハナミョウガがある。
画像2 20cmほどの花序が偽茎の先に円錐花序風に直立する。 撮影:(2006.6.24 宮崎市) 画像3 茎は、互生する葉の基部が重なり合った葉鞘からなる偽茎で、さやの先は突起となる。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
 
画像4 花は中央の溝が目だつ卵形の唇弁が3.裂し、さらにその中央裂片は
   真ん中で浅く2裂している。全体白色に一部淡い紅色が混じる。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像5 オシベ6個のうち1個が完全オシベで、花糸が約1,5cmほど伸びて湾曲して膨らんだ葯室となり、花糸に抱かれた長さ2cmほどの花柱の柱頭が少し突き出している。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像6 (この花の場合)花序の枝軸の長さは約1,5cm、外花被(ガク)の長さ5〜6ミリほど、唇弁の長さは2cmに満たない。大きさの比較で唇弁の上に小さな黒いアリが見える。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像7 花が終わると全体を中心部に巻き込みながら縮んでゆく。 撮影:(2006.6.24 宮崎市) 画像8 枝軸の先についた3個ほどの花は順番に咲いた後、大半が基部から落ちてしまう。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像9 葉の上面は光沢のある長楕円形で長さ50cm、幅13cmほど。撮影:(2006.6.24 宮崎市) 画像10 葉の下面は光沢がなく、ヘリが少し内側に巻いている。 撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像11 偽茎の筋模様。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像12 花序が展開する様子。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像13 果実(刮ハ)は初冬11月に赤熟し、濃緑色の葉と対比して目だつ。
撮影:(2004.11.20 日南市)
画像14 果実は球形で直径1cmほど、殆どの果茎は僅かに残った果実を疎らにつけている。
撮影:(2004.11.20 日南市)
画像15 草丈40cmほどの株の茎の基部は直径約8ミリ、新しい茎(葉鞘)が伸びだしている。
撮影:(2006.6.29 宮崎市)
画像16 根茎は茎直径ほどの太さで、節が詰って肥厚し、横の茎(葉鞘)と連結している。 
撮影:(2006.6.29 宮崎市)
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