FILE NO 608 宮崎と周辺の植物
アリノトウグサ Haloragis nicrantha (Thnb.) R.Br.
蟻の塔草 アリノトウグサ科
撮影日 2008.8.16
撮影場所 川南町

 北海道から琉球、台湾・中国からオーストラリアまで南半球に広く見られるという小さな多年草で、宮崎でも日当たりの良い林縁草地などに普通。
 名前にアリとつくように足元の地面を這っているので、注意しないと目に入らないが、乾燥して煎じれば、咳や便秘などに薬効があるという。
 特にオーストラリアに多く、小さな種子がツバメなどの渡り鳥の脚について運ばれ、広く分布したといわれる。
 和名は、画像3や5の様子をアリと塔に見立てたという。
画像1 林道脇の伐採跡地、小さな段になった乾燥気味の空地で地面を這うように枝を伸ばして太陽光を受けている葉。 花は雌雄同株で、オシベが先に開くオシベ先熟型。 
画像2 地を這う枝とは別に斜めに立ち上がった茎は高さは20cmほど。
       花は茎頂で枝を分ける総状花序につく。 撮影:(2008.8.16  川南町)
画像3 地面から立ち上がった茎上部で分枝した複総状花序は高さ30cmを超える。
    未だ1ミリほどの蕾だが、細い塔に点々とアリが登っているように見える。
撮影:(2008.7.6 川南町)
画像4 雄性期のオバナ。赤みのある子房の先に4裂したガク筒が見えるが、未だ花は開いていない。  撮影:(2008.8.16 川南町) 画像5 オバナの蕾。子房も含めて長さ2ミリほどと小さい。 子房は下位で花柄は殆んどない。
撮影:(2008.8.16 川南町)
画像6 正面の花はガクから伸びだしたオシベで、花弁は取れたのか見えない。
撮影:(2008.8.16 川南町 )
画像7 花弁4個とオシベ8個が完全に開いたオバナで、大きさは差し渡し2ミリほど。
撮影:(2008.8.16 川南町)
画像8 雌性期のメバナ。上から5 個は開花しているがそれより下の花は未だ開いてない。
撮影:(2008.8.16 川南町)
画像9 メバナのアップ画像。4個の花柱の柱頭は淡紅色で房状に広がって差し渡し2ミリほど。
撮影:(2008.8.16 川南町)
画像10 葉は対生、やや先の尖った卵形で長さ1cmほど、縁には浅い鋸歯があり、両面無毛。
撮影:(2008.8.16  川南町)
画像11 葉の下面。葉柄は無いかあってもごく短く葉柄部はやや赤い。脈は殆んど見えない。
撮影:(2008.8.16 川南町)
画像12 地を這っている茎は赤褐色で、低い稜がある。  撮影:(2008.8.16 川南町) 画像13 ひげ根は細く少し分枝して茎と同様赤褐色を帯びる。  撮影:(2008.8.16 川南町)
画像14 果実はごく小さく、ちょっと見ると蕾と間違う ほど。  撮影:(2006.9.9 川南町) 画像15 果実は長さ1ミリ強。8個の稜があり、先端にガクが残る。  撮影:(2006.9.9 川南町)
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