FILE NO 461 宮崎と周辺の植物
バクチノキ Prunus zippeliana Miq.
博打木 バラ科
撮影日 2012.11.11
撮影場所 宮崎市

 千葉県以西、四国、九州〜琉球、済州島の林内に生えるという常緑の高木で、宮崎でも低山地の山道脇等でも見かけるがありふれた樹とは言えない。
 神奈川あたりではこの樹はビランジュと呼ばれて天然記念物に指定された巨木もある。
 文化六年(1809年)に発刊された動植物名等の和漢辞典とも言える「物品識名拾遺」には、バクチノキ・・・ビランと出ているので、かなり古くから知られた樹のようだ。
 葉はアセモに、蒸留させたバクチ水は咳止めに効くという。
画像1 横になった枝先、茂った濃緑色の葉間に見え隠れする果実。
画像2 花は新枝に長さ7cmほどの総状花序となってブラシ状につく。
    この樹は通常よりかなり遅めの開花で、他の樹はもう果実。
撮影:(2012.11.10 大分県蒲江) 
 
画像3 脇の杉と競争するように伸びて高さ20m以上はありそうな高木。
   樹形は比較的若い時から横や斜め下に広がる枝が目立つ。
撮影:(2011.8.27 宮崎市)
画像4 開花後期の花で花序軸の下方は小花柄ごと花が落ちて柄のようになっている。軸に葉はつかない。
撮影:(2012.11.10 大分県蒲江)
画像5 花は花弁5個が開いて差し渡し5〜6ミリほどの大きさ、多数のオシベは長さ約4ミリで花弁外に出る。
撮影:(2012.11.10 大分県蒲江)
画像6 花弁が落ちて見える小さな杯状のガク筒から直立するメシベはオシベとほぼ同長。
撮影:(2012.11.10 大分県蒲江)
画像7 花序軸、小花柄、ガク片下面にも短毛が密生している。小花柄は長さ3ミリほど。
撮影:(2012.11.10 大分県蒲江)
 画像8 濃緑色の葉は小枝に間隔をあけて互生し、やや厚みがある。
撮影:(2012.11.11 宮崎市)
画像9 葉は長さ13cm前後だが長短変化が大きく、両面とも無毛で光沢がある。
撮影:(2012.11.11 宮崎市)
画像10 長さ1cm強の葉柄には密腺が一対あるが大きくてよく目立つ。
撮影:(2012.11.10 宮崎市)
画像11 葉の下面は淡緑色で、側脈は低くて殆ど隆起しない。葉縁の鋸歯は明確。
撮影:(2012.11.10 宮崎市)
画像12 (葉縁の鋸歯拡大画像)鋸歯は低いが鋭く尖って先端は腺になっている。
撮影:(2012.11.10 宮崎市)
画像13 枝先の小枝は柔らかそうな灰黄褐色でごく浅い小さな凹凸が見られる。
撮影:(2012.11.21 日南市)
画像14 中枝には気孔の小突起と裂け目みたいな縞模様状の縦すじができる。
撮影:(2012.11.21 日南市)
画像15 幹は大小様々な形の浅いくぼみができて徐々に剥げ始める。
撮影:(2012.11.21 日南市)
画像16 やがて幹は鱗片状に樹皮が剥がれて独特の色になり遠くからでも目立つ。
撮影:(2012.11.21 日南市)
   
画像17 果序は枝先に太い柄で立ち上がって陽光を浴びる。早い時期から紅紫色。
撮影:(2004.12.25 宮崎市) 
  画像18 果実は長さ1.5cmほどの長楕円形で翌年5〜6月頃黒っぽく熟す。
撮影:(2007.3.4 宮崎市) 
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