FILE NO 48 宮崎と周辺の植物
ハマユウ Crinum asiaticum L. var. japonicum Baker
浜木綿 ヒガンバナ科
撮影日 2005.7.23
撮影場所 串間市

 宮崎県でも最近は、海岸地の護岸工事やブロック設置等が進み、自然の海浜地に自生するハマユウは少ない。
 万葉の昔から関東南部以西の海岸にあったようだが、県花の指定は宮崎県と三重県だけだ。宮崎県では日南海岸の国道沿い、普通道や公園等の修景に幅広く植栽され、ごくありふれた花として日常生活に溶け込んでいる。
  普通の住宅の庭には大きすぎて植えないが、花はジャスミン系の芳香で、小花を1本コップに挿すだけで強く香る。
画像1  背景の島は、芋を洗って食べる猿の住む宮崎県串間市 幸島。
海浜地と海岸林の境目段差の砂地に逞しく自生する。
画像2 地面から30cm近い高さの偽茎の葉の間から70cmほどの花茎を伸ばして、
白い花を散形状につける。葉は逞しく、別名でハマオモト(浜万年青)といわれる。
撮影:(2006.7.15 延岡市)
画像3 海浜地と海岸林の境の砂地が自然の群生地となるが、
最近はこのように放置されたままの場所も少なくなっている。
撮影:(2006.7.15 延岡市)
画像4 個々の花は、約4cmの花柄の先が7cmほどの花筒につながり、平開して花被片6を開く。
花序全体で差し渡し30cmほどの大きな花になる。  撮影:(2006.7.15 延岡市)
画像5 花被片の長さ約10cm、上半部が赤紫色になる長さ約5cmの花糸6個の先に、葯がT字状につく。メシベは少し短くいが下部近くから赤紫色。 撮影:(2006.7.26 日向市)
画像6 花被片の先は独特の形の付属体がつく。
撮影:(2006.7.26 日向市)
画像7 開花前、長さ10cmほどの2枚の総苞に包まれている。 撮影:(2006.7.15 延岡市)
画像8 葉は偽茎となった基部から放射状に開出し、長さ1m以上、幅15cmほどにもなって、厚く無毛で光沢がある。 撮影:(2006.7.17 串間市) 画像9 侵食で基部が洗われ、完全に露出した偽茎と根。偽茎の直径約7cm、砂地に深く伸びた根は細く長い。 撮影:(2006.7.17 串間市) 
画像10  偽茎の断面、葉鞘が重なり合って直径7cmほどの茎状になっている。
撮影:(2006.7.17 串間市)
画像11 果実は、花が済むとすぐに形をなす直径3〜4cmほどのひずんだ球形。
撮影:(2004.8.8 小林市)
画像12 果実は熟すと同時に花茎ごと倒れて、中から大小変化のある軽石に見える種子を周囲に散らす。地面に見える種子に芽、根が伸びだしている。 撮影:(2006.7.26 日向市) 画像13 種子は1果実に2〜3個あり、大きさ、形の変化が大きいが、直径2〜3cmの変形した三角状。丈夫な種皮は空気をよく含んで海水に浮くといわれる。撮影:(2006.7.26 日向市) 
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