FILE NO 553 宮崎と周辺の植物
ハンゲショウ Saururus chinensis (Lour.) Baill.
半夏生 ドクダミ科
撮影日 2006.6.24
撮影場所 宮崎市

 古くからカタシログサという呼び方で、葉の一部が白くなる特徴は知られていたようだが、ハンゲショウの名前は江戸時代の頃から半化粧、或いは葉の白くなる時期から半夏生と記録されているようだ。
 半夏生とは72候の1つで、太陽の黄経が100度に達する時(現行暦7月2日頃)を言うが、本来は夏至から10日を隔てた日から6月小暑の前日に至るまでのことのようで、この頃半夏(カラスビシャク)が生ずるからという。
 田植えを終わらせる目安の日でもあった。
画像1 前が溝になっている道脇の樹林下、小規模な群落となって
毎年花を咲かせている。高さは50〜60cmほど。
学名の「Saururus」は蜥蜴の尾の意味で、花序の形から。
画像2 花の時期になると、花序の周囲の葉が白くなる性質があるが、昆虫を誘引する役目を果たすらしい。 撮影:(2005.6.25 宮崎市) 画像3 白い葉を正確に言えば、花序の反対側から出る葉が基部から白く変わり、花が終わるとまた元の色に戻る。 撮影:(2005.6.25 宮崎市)
画像4 上部の葉腋から大きく曲がった穂状花序を、10cm以上も伸ばして基部から開花してゆくが、花序は段々立ってくる。この花序の場合、対葉は白くない。 撮影:(2005.6.25 宮崎市) 画像5 花序の軸には白い縮れ毛があり、両性の花の直径はほぼ2ミリ、小花柄も長さ2ミリほど、花が終わって黒っぽくなったオシベの残がいが見える。 撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像6 花のアップ。ガクも花弁もないオシベ6個に囲まれて先が4裂したメシベ柱頭が見える。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像7 葉の上面、長さ13cm、幅9cm、基部は耳状に広がる。 撮影:(2005.6.25 宮崎市) 画像8 葉の下面、脈はふつう基部からと主脈下部から左右に伸びて全体で5本が目立つ。
撮影:(2005.6.25 宮崎市)
画像9 葉の白化は、葉の内部組織で葉緑が消失することによる。 撮影:(2006.6.24 宮崎市) 画像10 葉柄は長さ3cmほどで、背に稜が目立ってしっかりしている。撮影:(2006.6.24 宮崎市)
画像11 花序の花が果実になる頃、白化した葉も前のように緑化するが、色は白味が残る。
撮影:(2005.7.23 宮崎市)
画像12 果実は離生した4個がまとまって直径2ミリ弱の白い球状をなし、果軸にぎっしりとつく。
撮影:(2005.8.6 宮崎市)
画像13 果実の下部には、オシベの残がいらしき茶褐色の細い突起が残っている。 
撮影:(2005.8.6 宮崎市)
画像14 茎は硬くて縦に数本の稜がはっきり見える。下部の節は稜の先が小さく突起する。
撮影:(2006.6.24 宮崎市)
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