FILE NO 432 宮崎と周辺の植物
ヒロハトラノオ Pseudolysimachion kiusianum (Furumi) Yamazaki
広葉虎の尾 ゴマノハグサ科
撮影日 2010.8.14
撮影場所 県北部

 
別名をツクシトラノオ(筑紫虎の尾)ともいうように九州の北部と朝鮮半島に自生する多年草で、宮崎県でも北部地域で見られるが少ない。
 このルリトラノオ属の仲間は九州から北海道まで幅広く分布していてどれもよく似ていて見分けの難しい種等も多く、また限られた狭い自生地の名前がついたものも少なくない。
 ヒロハやヒメが頭につく種はあるのに比較の基になるトラノオという種がないのは不思議だが、牧野図鑑にはクガイソウの欄に異名としてトラノオの記載はある。
 花そのもは特に美しいとも思えないが、草原の茅等に凭れて風で見え隠れする花穂の控えめな色はやはり日本的な風情といえる。
画像1 まだ伸びきってない茅に凭れて1mほど立ち上がって開花した株。 
画像2 ススキやハギが大きく伸びはじめようとする時期に開き始めた特徴のある
   花穂は、長い虎の尾が真っ直ぐに立ったようにも見えるが先細になる。
    撮影:(2010.7.27 県北部
画像3 長さ15cmほどの総状花序に淡青紫色の花がぎっしり。開いた花は全方向
     を向いて開き、飛び出したオシベが目立つ。。早い花は果実になっている。
   撮影:(2009.8.14 県北部
画像4 短毛がある小花柄は長さ約3ミリ、4裂したガク片は長さ2ミリほどで先は尖る。飛び出したオシベは長さ約8ミリで、基部近くに曲がったメシベ花柱が見える。 撮影:(2010.8.14 県北部 画像5 深く4裂した花冠は大きさ8ミリほどで、花冠上側の裂片は他の片よりもやや大きい。花冠喉部には白い軟毛がある。 撮影:(2008.7.27 県北部
画像6 周囲の草を少し押して茎が見えるようにして上半部を撮影した。
撮影:(2009.8.14 県北部
画像7 茅の間に埋もれている茎、対生する葉には明確な葉柄が見える。 撮影:(2004.8.12 県北部
画像8 画像7の一部を拡大したもの。茎葉ともに緑色で短毛に覆われている。
      葉形はつく位置で変化するが、幅3.5cmほどで基部は少し葉柄に流れる。
 撮影:(2004.8.12 県北部
画像9 葉は先がやや細くなった卵形。長さ8cmほどの葉身の縁には整然と並んだ鋸歯がある。
撮影:(2010.8.14 県北部
画像10 葉柄は長さ2cmほどで短毛が目立つ。葉の基部はやや流れて柄につく。
撮影:(2010.8.14 県北部
画像11 (葉下面) 葉には上下ともに短毛があり指で触ると柔らかさを感じる。
撮影:(2010.8.14 県北部
画像12 (葉の上面) 葉の鋸歯はほぼ大きさが揃って先は短く尖って縁に毛がある。
撮影:(2010.8.14 県北部
画像13 茎と葉柄にも短毛があるが特に葉柄の溝側の短毛が目立つ。 撮影:(2010.8.14 県北部 画像14 花序軸、花柄にも短毛があるが、ガク片には殆ど目立たない。 撮影:(2010.8.14 県北部
画像15 花序の先端部にはまだ花が咲いているが、下の方ではもう果実ができている。
撮影:(2008.9.1 県北部
画像16 果実は刮ハで直径4ミリほどの球形、先に長さ6ミリほどのメシベ花柱が残る。
撮影:(2008.9.1 県北部
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