FILE NO 555 宮崎と周辺の植物
ヒヨドリジョウゴ Solanum lyratum Thunb.
鵯上戸 ナス科
撮影日 2006.9.5
撮影場所 三股町

 北海道から琉球、中国、インドにまで分布するそうだが、宮崎では日当たりの良い林縁等で見かける。
 和名は和漢三才図会(1713年、寺島良安編)に、実が赤く熟するとき鵯が喜んで食べるので鵯上戸(ひよどりじょうご)というが、鶫(つぐみ)もこれを好むと記している、と薬草カラー大事典(伊澤一男著、主婦の友社、1998年)のヒヨドリジョウゴの解説にはある。
 また、解熱等に全草を乾燥したものを煎じて服用するとの本草書が紹介されている。 
画像1  伐採された林地跡、周囲が開けているので、若い蔓は自力で立ち上がって上へ伸びている。 図鑑等のメシベは黄色だが、これは黒色で違いがある。
画像2 多年生の蔓植物、長い根茎を持って越年した蔓から
   新しい枝を出し、辺りに長く伸びることがある。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像3 花梗は普通互生する葉の節間から出て、
殆ど直角に開く枝から疎らな花が下垂する。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像4 茎も枝も葉も白く柔らかい腺毛が目立ち、よく似たヤマホロシ等との見分けに役立つ。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像5 花は白色だが時に淡紫色を帯びたものもある。花冠は深く5裂する。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像6 開花後、花冠は花柄を取り巻くように完全に反り返り、黒いオシベ5、メシベ1が露出する。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像7 開花時の花冠は直径1cmほど、花冠裂片の基部に緑色の腺体が見える。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像8 茎(蔓下部)にも白い腺毛が密生、長さ3〜4cmある葉柄で他物に絡んで伸びる。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像9 葉の上面。葉は基部近くで切れ込んで、様々変化し、長さも3〜8cmほどと変化が多い。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像10 葉の下面。枝の先端近くの葉は、先が鈍く尖った卵形で基部は心形となる。
撮影:(2006.9.3 三股町) 
画像11 特徴のある葉はまだ少し残っているが、周囲の葉は枯れる時期。鮮やかな鮮紅色の液果はすぐわかる。 撮影:(2005.11.5 西米良村)  画像12 瑞々しい果実は直径8ミリほどの球形で目立つが、液果はヒヨドリの食べ物としては不適にも思える。 撮影:(2005.11.5 西米良村) 
トップへ 科名リストへ