FILE NO 278 宮崎と周辺の植物
ホオノキ Magnolia ovobata Thunb.
朴の木 モクレン科
撮影日 2010.4.29
撮影場所 西米良村

 
北海道〜九州指宿までと南千島にも分布するとされる山地性の落葉大喬木で、万葉の昔から親しまれ様々に利用されてきたそうだが、特に土壌の肥沃な平野部に多く自生している北海道では、アイヌの人々の日常生活の中で幅広い利用法があったという。
 遥か上を見上げるような大木になり、普通は大きな葉の上に咲く花を下から見上げる格好になるので、壮麗な花を近くで見る機会は少ない。県内では時に低地の川沿い等で見ることもあるが、殆どが山地にありしかも孤立している。
 花は一斉に咲くことは無いようで、大きく見栄えのする花ではあるが、大木の枝のあちらこちらと咲いて全体としてはあまり目立たず、芳香も下までは届かない。
画像1 山地国道脇の高さ約20mの樹、法面を攀じ登って横から撮った花。   ovobataは、倒卵形の の意味。
画像2 花は枝先に集まった大きな葉の上で、上向きに咲いて差し渡し15cmにもなる。
   中央の円柱状に伸びた花床の下部にオシベが、上部にメシベが螺旋につくが、
下部のオシベ群は殆どが落ちて赤色の花糸は見えない。 画像6を参照。
 撮影:(2010.4.29 西米良村)
画像3 山地の谷沿いの樹。新葉の間に疎らに咲いた花は直ぐに花弁が枯れ落ちて、
     別箇所に 新しい花が咲くが、大きな淡緑色の葉の間に埋没して殆ど目立たない。
撮影:(2010.4.29 西米良村)
画像4 枝先に束生状に集まった葉の上に上向きに咲いた花と蕾。 撮影:(2005.5.28 諸塚村) 画像5 花被片は9〜12個、これは内側に花弁9個、外側にガク片1が見える。 撮影:(2007.4.29 西米良村)
画像6 黄白色の花弁と下に反り返ったガク片。花弁の隙間から花糸が赤色のオシベが見える。
撮影:(2007.4.29 西米良村)
画像7 モクレン属の特徴である葉柄基部のボート型縁どりと枝を取り巻いた托葉痕。赤っぽいガク片は落下間近。 撮影:(2007.4.29 西米良村)
画像8 葉は長い細枝の先について普通9枚前後、見上げると一見トチノキの葉に似ているが、
   ホオノキの葉は柔らかく丈夫で、昔から飯や餅を包んだり盛皿代わり使われて来た。
撮影:(2010.4.29 西米良村)
画像9 葉は倒卵状長楕円形で長さ最大 40cm、基部から段々広がり先は尖る。撮影:(2002.5.11 小林市) 画像10 葉面は無毛。葉柄は長さ約4cmで新葉では赤みを帯びることが多い。 撮影:(2006.6.10 小林市)
画像11 葉の下面は白っぽくていかにも柔らかそうに見える。側脈は20対前後。 撮影:(2006.6.10 小林市) 画像12 葉の下面は側脈に沿って軟毛があるが目立たない。縁はやや波打つ。 撮影:(2006.6.10 小林市)
画像13 果実は花が終わると成長しながら徐々に傾き始める。 撮影:(2009.6.21 小林市) 画像14 袋果が集まった集合果は長さ14〜15cmに成長し赤熟して下垂する。 撮影:(2009.8.28 小林市)
画像15。 1個の袋果には上下に2個の種子が入ってる。 撮影:(2009.8.28 小林市) 画像16 枯れた袋果から取り出した種子。種子の長さは1cmほど。 撮影:(2009.11.7 小林市)
画像17 樹幹は灰白色で平滑、まだ若い幹で細い縦筋が薄く見える。 撮影:(2010.4.29 西米良村) 画像18 若い樹。枝は周囲に均等に伸びて、全体が整斉な樹形になる。 撮影:(2005.5.28 諸塚村)
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