FILE NO 474 宮崎と周辺の植物
ホソバワダン Crepidiastrum lanceolatum (Houttutn) Nakai
細葉海菜 キク科
撮影日 2012.12.4
撮影場所 日南市

 本州山口・島根県以南、九州〜琉球、朝鮮半島南部、中国の海岸崖地の岩場等に生える多年草で、宮崎では日向市辺りから南部の海岸に自生、そこから北の海岸にあるよく似たアゼトウナと住み分けている。
 この仲間は千葉〜静岡辺りまでの海岸ではワダン、静岡〜日向市辺りまではアゼトウナ、それより南ではホソバワダンと環境に応じて変化した形質に合わせて和名も変化している。
 牧野図鑑に、ワダンはおそらく海(ワタ)の菜(ナ)が訛ったと書かれている。
画像1 崩れかかった海岸の崖地でツワブキと並んで開花している株
画像2 開花し始めたころの花枝で、花序が十分に伸びていない。
     頭花は枝先から軸が4〜5cmほども伸びて競り合って咲く。
撮影:(2006.10.29 日南市) 
 
画像3 海岸の見上げた崖地岩場に根を下ろして花をつけた株。
撮影:(2012.12.4 日南市)
画像4 頭花は黄色で12個内外の舌状花が差し渡し2cmほどの大きさに開く。 
撮影:(2012.12.4 日南市)
画像5 総苞は筒状で内片8個は長さ7ミリほど、外片はガク状で短くて2列、長卵形。
撮影:(2012.12.4 日南市)
   
画像6 舌状花は長さ12ミリほど、最大部の幅は3ミリ弱、先は5裂し先端が外に反る。
撮影:(2012.12.4 日南市) 
  画像7 未だ自分の花粉を持っている管状花の雄性期の柱頭で長さ8ミリほど。
撮影:(2012.12.4 日南市) 
   
画像8 柱頭の先がクルリと反り返って受粉を待っている雌性期の管状花。
撮影:(2012.12.4 日南市)  
  画像9 舌状花。冠毛は長さ5ミリ強、下部の子房の長さはせいぜい1ミリほど。
撮影:(2012.12.4 日南市)  
画像10 株は基部に広がった根生葉の腋から側枝を上に伸ばして、
    高さ50cmほどにもなる。地形や風で傾いたものが多い。
撮影:(2012.12.4 日南市) 
画像11 根生葉は14〜15cmほどになる長楕円形で基部は主脈に沿って徐々に細くなる。
撮影:(2012.12.4 日南市)
画像12 葉の下面はやや青白気味で脈が隆起する。柔らかくて縁は波打つ。
撮影:(2012.12.4 日南市)
画像13 根生葉が集中した基部、葉柄部には両端に僅かに緑色の葉身が見える程度。
撮影:(2012.12.4 日南市)
画像14 茎葉は大きさ形状とも変化が大きいが全て基部で茎を抱いている。
撮影:(2012.12.4 日南市)
画像15 根生葉の下部の根部で崖から垂れ下がるように露出してしている。
撮影:(2012.12.4 日南市)
画像16 果実。冠毛は長さ4ミリほど、細長い種子の長さは約1ミリ。
撮影:(2012.12.4 日南市)
 画像17 傾いた株を立て直した全体の草形。根生葉の腋から側枝が
       立ち上がって多くの枝が出るが片方に広がって伸びている。
撮影:(2012.12.4 日南市)
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