FILE NO 417 宮崎と周辺の植物
ヒュウガタイゲキ Euphorbia watanabei subsp. minamitanii T. Kurosawa,Serizawa et K.Ohashi
日向大戟 トウダイグサ科
撮影日 2009.7.12
撮影場所 県中部

 世界に300属7000種あると言われるややこしいトウダイグサ科の中で、日本には杯状花序と乳管を持つトウダイグサ属と、コミカンソウなどそれ以外の属があるが、ヒュウガタイゲキはごく一部の図鑑に名前が出てくる程度で、まだ殆ど知られていない。
 長い学名で判るとおり、1996年宮崎県の特産種として発表された、富士山麓周辺にあるというフジタイゲキの亜種にあたるとされる新種である。
 日当たりの良い原野に生える無毛の多年草で、生育環境の消滅で絶滅が危惧されている。
画像1 農地と杉山の間にある小面積の日当たりの良い草地に群生した株だが、最近杉山が伐採されて環境変化の影響が懸念される。 ヒュウガタイゲキの特徴的な種子表面の模様は画像13を参照
画像2 草丈は高いもので1.5mほどになり、太い茎が1本真っ直ぐに立ちあがって、遠目にはススキに紛れて分らない。 撮影:(2002.6.23 県中部) 画像3 茎上部から出た放射状の枝、茎先に輪生した葉腋から放射状に数本伸びた枝先に花をつける。 撮影:(2002.6.23 県中部)
画像4 上から見た花序。輪生状の葉腋から伸びた5つの枝先に、それぞれ5個の
    花序があるが、中央の濃黄色が開いた付属体で周囲の4個は未だ未開。
撮影:(2002.6.23 県中部)
画像5 横から見た花序。輪生状の葉の上に5個の枝が伸びてさらに1〜2回分枝を繰り返して先端に花序がつく。  撮影:(2009.7.12 県中部) 画像6 2〜3回分枝を繰り返して、花序を囲んだ最終の苞葉は黄色くなる。4つの花序の内1つだけが開いている。  撮影:(2002.6.23 県中部)
画像7 差し渡し4ミリほどの大きさの杯状花序のオバナをアップした画像。オシベ4個と円盤状の4個の付属体がある。 撮影:(2009.7.12 県中部) 画像8 大きさ1cmほどの黄色い苞葉の中心に見える花序には、先端に3花柱のある雌花が見える。
撮影:(2002.6.23 県中部)
画像9 正面の花は、総苞片5個が完全に合着して杯状になったもので杯状花序と呼ばれ、
    その中に葯が2個づつあるオシベ5と黄色い付属体4の基部に蜜が分泌されている。
          撮影:(2009.7.12 県中部)
画像10 雌花はオシベの間から伸び出して、少しデコボコした子房の上端に先が2裂した花柱3がある。   撮影:(2009.7.12 県中部) 画像11 直径6ミリほどの球形の果実(子房)の表面は熟しても小さな膨らみが残る。
撮影:(2009.7.12 県中部)
画像12 種子。左から果実、裂開した果実裂片、右上は種子が入っている裂片、右3個が種子。 
撮影:(2009.8.2 県中部)
画像13 種子は果実に3〜4個があり、ほぼ球形で直径2ミリほど、表面に浮き上がった模様があるのがこの種の特徴。  撮影:(2009.8.2 県中部)
画像14 茎から伸びた枝は、分岐点で2〜4枚の苞葉を広げながら分岐を2〜3回繰り返す。
撮影:(2009.7.12 県中部)
画像15 茎先端の分岐点で輪状に出る葉は茎葉と同様に細長く、無柄で主脈がよく目立つ。
撮影:(2009.7.12 県中部)
画像16 互生する葉は長さ7〜10cmほどで、中間部が一番広い。  撮影:(2002.6.23 県中部) 画像17 先が鈍形の葉の下面は緑白色で主脈が隆起する。 撮影:(2002.6.23 県中部)
画像18 葉を取った個所から乳白色の液が出てくる。 撮影:(2009.7.19 県中部) 画像19 茎の下部は緑色で、小さな突起が散らばっている。 撮影:(2009.7.19 県中部)
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