FILE NO 652 宮崎と周辺の植物
イブキシモツケ Spiraea nervosa dasyantha Bunhe
伊吹下野 バラ科
撮影日 2010.4.24
撮影場所 県中部

 
近畿地方鈴鹿山脈以西、熊本県球磨川沿岸、南限地とされる宮崎県の中部地域までと、朝鮮・中国にも自生するという。
 県中部地域では日当たりの良い岩場に生える落葉性の小低木でマルバウツギより少し早い時期、崖地から垂れた細い枝に咲いて風に揺れる花を見ることができる。
 イブキは最初に発見された滋賀県の伊吹山に因むというが、国内の分布範囲からはほぼ北限の地域の名がついたことになる。
 国内の南限地宮崎県中北部の限られた自生地での出現数がそれほど多くないことからすれば、北限近くの滋賀県でも同様だと思われるが、植物の名前とはそうしたもので、必ずしも冠地名の場所に多いわけではないようだ。
画像1 低山地の開花期から1か月近く、花が僅か残った一枝。  
画像2 道路脇の切り立った崖地、基部で分枝して垂れ下がった細枝についた花。
       淡緑色の葉と真っ白な花の対比では白い塊りに見えるが、全体の雰囲気は判る。
 撮影:(2009.3.28 県中部)
画像3 低山地より約2か月遅い開花の山頂岩場の株は当然に枝は短く太い。
撮影:(2005.5.21 県北部)
画像4 新枝の先に差し渡し約3.5cmの散房状に多くの小花をつける。
撮影:(2010.4.24 県中部)
画像5 花の大きさは約7〜8ミリ、広卵形の花弁5は隣と重なるように開く。
撮影:(2009.3.28 県中部)
画像6 20個ほどのオシベは花弁とほぼ同長で3〜4ミリ、花柱は5個。
撮影:(2005.5.21 県北部)
画像7 短毛のある小花柄は約長さ1cm、ガクは5裂して先の尖った三角状。
撮影:(2005.5.21 県北部)
画像8 新しい枝は淡褐色で短毛があり、互生する葉は菱状になる長楕円形で長さ4.5cmほどで
     約7ミリの葉柄がつく。基部以外に出る特徴のある重鋸歯と深いしわ状の脈が特に目立つ。
影:(2009.3.28 県中部)
画像9 葉の重鋸歯は先端近くで分岐した側脈の先が届いて鈍頭になる。 撮影:(2009.7.5 県中部) 画像10 成葉は無毛。基部は円形〜くさび形と多変化で葉柄には軟毛がある。 撮影:(2009.7.5 県中部)
画像11 下面は脈が細かく大小の網目を作り、葉縁まではっきりと浮き出る。
撮影:(2009.7.6 県中部)
画像12 葉の下面全体に白や黄褐色の軟毛が雑多に生えて触るとザラザラする。
撮影:(2009.7.5 県中部)
画像13 果実は多くの小花がそのまま5個ずつの袋果となってぎっしりつく。 撮影:(2009.7.6 県中部) 画像14 袋果は長さ2ミリほど、先端には外向きに曲がった花柱残がいが残る。 撮影:(2009.7.6 県中部)
画像15。 枝は若い時は黄褐色で白っぽい皮目が目立つ。古い枝は画8を参照。
撮影:(2009.7.5 県中部)
画像16 枝は古くなると段々縦に裂け目ができて、やがて剥がれ始める。
撮影:(2009.7.5 県中部)
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