FILE NO 678 宮崎と周辺の植物
イヌザクラ Prunus buergeriana Miq.
犬桜 バラ科
撮影日 2012.7.28
撮影場所 諸塚村

 青森県以南鹿児島県大口市辺りまでの山地と、韓国済州島にも分布するという落葉性の高木で、宮崎では県下の山地に生えるが多くはない。
 樹そのものが少なくて花は林内の高い樹の枝に咲くので山地での撮影は意外に難しい。
 和名の犬はサクラに似ているが違うという意味と思われるが、花は似てないし、葉や幹等が他の仲間に比して特に似るとも見えないので、どこをもってサクラに似ているとしたのかは判らない。シロザクラや下不見桜の名もある。
画像1 遥か高くに広がった枝で色づき始めた小さな果序が見える
 画像2 雨の中、貧相な花序をつけた枝だが葉の無い花序の特徴は判る。
撮影:(2011.5.12 高千穂町) 
画像3 適度な枝張りで桜の仲間らしい樹形、高さ8mはありそう、
       左方に黒っぽい幹が見える樹もイヌザクラで、中ほどで大きく
     分枝した樹形はまさに公園等で見かけるサクラ似ている。
撮影:(2012.7.28 諸塚村) 
 
 画像4 花は長さ10~15cmほどの白い総状花序になってつくが、
        花序軸の下方に葉が無いことが類似種ウワミズザクラと違う。
撮影:(2011.5.12 高千穂町) 
画像5 花は花弁5が開いて差し渡し5ミリほどの大きさ、10個以上もあるオシベは直立する。
撮影:(2011.5.12 高千穂町) 
画像6 花は小さくて見え辛い。白い花弁は長さ2ミリほどの倒卵形で強く反り返る。
撮影:(2011.5.12 高千穂町) 
 
 画像7 樹は陽光のあたる場所に多い。葉は細枝に互生する。
撮影:(2012.7.28 諸塚村) 
画像8 (葉上面) 葉は長さ8cm前後の長楕円形で生葉では両面無毛、明らかに洋紙質。
撮影:(2012.7.28 諸塚村) 
画像9 葉先は短く伸びて尾状に尖る。縁はやや波打つ感じで基部はくさび形。
撮影:(2012.7.28 諸塚村) 
画像10 (葉下面) 上面同様やや明るい緑色で毛は殆どない。鋸歯は浅くて小さいが鋭い。
撮影:(2012.7.28 諸塚村) 
画像11 見分けのポイントである蜜腺はくさび形の葉身基部につく。葉柄の長さは1cmほど。
撮影:(2011.5.12 高千穂町) 
     
画像12 小さくて低いが先が尖って揃った鋸歯と、乾いた感じの薄い葉身の脈の網目。
撮影:(2012.7.28 諸塚村)
  画像13 前年枝の先に伸びた一年枝、旧枝に繋がる新枝部分はしわ状取り巻き線がある。
撮影:(2012.7.28 諸塚村)
 
 画像14 枝先や葉腋から伸びた果序は小さく、見上げても見えにくい。
撮影:(2012.7.28 諸塚村) 
     
 画像15 果実は途中で落ち、12~13cmほどの果序軸に落ち残った疎らな数が熟す。
撮影:(2012.7.28 諸塚村) 
  画像16 果実直径6ミリほどの卵円形、ガクがそのまま残り黄赤色~黒紫色に熟す。
撮影:(2012.7.28 諸塚村)  
     
画像17 枝は灰色でやや横長の皮目が目立つ。枝の付け根はしわ状になる。
撮影:(2012.7.28 諸塚村)   
  画像18 樹皮は暗灰色で皮目が線状に並んで横筋が入ったように見える。
撮影:(2011.5.12 高千穂町) 
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