FILE NO 172 宮崎と周辺の植物
イタチササゲ Lathyrus davidii Hance
鼬ささげ マメ科
撮影日 2006.7.25
撮影場所 高千穂町

  北海道〜九州、朝鮮半島、中国東北部に分布するらしいが、九州では大分、阿蘇、高千穂の草原にだけ自生しているというマメ科のつる植物。
  ちょっと変わった和名だが、開花後の花が淡黄色からイタチの毛のような黄褐色に変わり、ササゲに似た長い豆果をつけるらからという。
 草原でも周囲の草と比べて大きな葉をつけた蔓は良く目立つが、イタチ色の花は特に目に映るほどの印象はない。  蔓は周囲の草の上に覆いかぶさって伸びる。
画像1  草原に続く林縁の薮草の最上部に広がって、広い葉を遠慮なく伸ばして太陽光を浴びているが、蔓の広がりは1〜2mの範囲程度。  
画像2  支えるのに役立たない茅類の上に伸び上がった枝先、蔓は時にかなりの高さまで
  立ち上がったり、必要に応じて葉軸の先の巻きひげで絡んだりして広がる。
撮影:(2008.7.12  高千穂町)
画像3   花は総状花序で10個以上がまとまったようにつき、咲き始めは淡黄色だが後で
         黄褐色に変わる。花はガクも含めて長さ2cm前後、花冠中ほどで直角に上向する。
撮影:(2006.7.25  高千穂町)
画像4   互生する葉腋から長さ10cmほどの花軸を伸ばして総状花序を出す。
撮影:(2006.7.25 高千穂町)
画像5  葉の軸先の巻きひげは、3つに分岐し、他物に巻きついて蔓を保持する。
 撮影:(2006.7.25 高千穂町)
画像6  ガクは5〜67ミリほどで斜めになって先は小さな5歯となるが各歯の長さは不同。
撮影:(2006.7.25 高千穂町 )
画像7  旗弁を残して翼弁と竜骨弁を取り除くと、オシベ約10本、直角に曲がったメシベが良く見える。 撮影:(2006.7.25  高千穂町)
画像8  小葉は楕円形で柔らかく、長さ約8cm、幅5cmほど、無柄で両面とも無毛。
撮影:(2006.7.25  高千穂町)
画像9  下面は少し白味を帯びて、細い脈まで良く見える。鋸歯はない。
撮影:(2006.7.25 高千穂町)
画像10  葉は互生して偶数羽状複葉、葉軸の先が伸びて巻きひげとなる。
 撮影:(2006.7.25  高千穂町)
画像11   葉のつけ根につく托葉は葉のような緑色、3cm近い大きさで目立つ。
撮影:(2006.7.25  高千穂町)
画像12 果実は扁平な線形で長さ約10cm、中の種子は約10個。 撮影:(2005.8.27  高千穂町) 画像13 豆果では、5歯のあるガクが不釣合いに大きく目立つ。  撮影:(2007.8.25  高千穂町)
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