FILE NO 466 宮崎と周辺の植物
イチヤクソウ Pyrola japonica Klenze
一薬草 イチヤクソウ科
撮影日 2006.6.10
撮影場所 県西部

  北海道〜屋久島、朝鮮、中国東北部に分布しているそうで、宮崎でも多くはないが各地の林内で見られる。
  一薬草の字を充てるように生葉の汁液は切り傷や虫刺されに、全草を乾燥して煎じて脚気、利尿等に効く民間薬として使われたそうだが、宮崎では利用の話は聞かない。
 生薬名の鹿蹄草は中国のイチヤクソウのことで、同じイチヤクソ属でも日本のイチヤクソウとは違うらしいが、多分同じ成分がかなり含まれていると思われる。
画像1 少し明るい林内、落ち葉の間から花茎が伸びて最上部に数個の花がついた株。一薬草の字は、『和訓栞』後編(谷川士清、1877年)に、初めて出てくると記載の本もあるが(薬草カラー大事典、伊澤一男、主婦の友社、1998年)、一薬草の意味は記載されてないという。   属名の「Pyrola」はナシの木のことで葉が似ているからというが、特に似ているようにも思えない。
画像2  腐葉土を覆った枯葉の上に広がった葉の間から、高さ25cmほどに立ち上がった花茎の先に咲いた花。  撮影:(2006.6.10  県西部) 画像3  林縁の日当たりの良い環境で育った株。大きく元気な淡緑色の葉が逞しく立ち上がっている。  撮影:(2002.5.26  県北部)
画像4  葉は株の根ぎわから数枚出て、斜上する7〜8cmほどの葉柄の先に開く。
撮影:(2006.6.10 県西部)
画像5  花は花茎の上部に、梅の花に似た直径1.5cmほどの白色花が数個つく。
撮影:(2006.6.10 県西部)
画像6  花は総状花序に疎らについて、、長さ5ミリほどの小花柄基部の苞は狭披針形、5裂したガク片は披針形で小花柄とほぼ同長。花冠は深く5裂する。  撮影:(2003.5.18  県中部) 画像7  メシベの花柱は長く伸びて花外に飛び出し柱頭は少し膨れる。オシベは10個で、黄色い葯の先端の穴から花粉を出す(孔開葯)のが特徴。撮影:(2003.5.18  県中部)
画像8  葉は光沢があってやや厚みのある卵状楕円形、縁には不規則な小さい鋸歯がある。 
撮影:(2006.6.10  県西部)
画像9  葉の下面。上面では模様に見える脈が下面で突出しているがあまり目立たない。
撮影:((2006.6.10  県西部)
画像10   果実は刮ハで大きさは直径約8ミリ。ガク片とメシベ花柱を長い間残したまま熟す。
撮影:(2006.9.18  県西部)
画像11  果実は翌年の開花時期頃に熟し、浅い縦溝のある5片に分れそれぞれが裂開して微細な種子を落とす。  撮影:(2006.6.10  県西部)
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