FILE NO 219 宮崎と周辺の植物
ジュズダマ Coix lacryma-jobi L.
数珠玉 イネ科
撮影日 2011.10.3
撮影場所 宮崎市

 本州〜四国、九州〜琉球〜中国、東南アジア一帯に広く分布する多年草で、古い時代に渡来して川近くの道ばたなどに野生化しているが、集落から遠く離れたところまでは広がってないようだ。
 宮崎でも溝や田に近い平地に広く自生している。
 種小名「acryma-jobi」は、ヨブの涙の意味で、果実のような玉を、旧約聖書に出てくる義人ヨブが流す涙に見立てたというが、大きな水滴状の粒はヨブの悲しみの大きさを象徴するように見える。
画像1 川近い平地の藪、高さ1mほどの刊の葉間に伸びた果穂。 堅い苞鞘で数珠ができた
画像2 花序は葉腋から2〜3本の柄が伸びて、柄の先に丸い壺状の苞鞘
      がつく。苞鞘から垂れた雄小穂は長短の柄の2個が2小花からなる。
    雌小穂は苞葉の中にあって3個の小花の内2個は退化している。
撮影:(2006.9.16 宮崎市) 
画像3 (花序)壺状の苞鞘の中から伸びだした雄性の小穂と、苞鞘内の雌小穂から
      外に飛び出して長く垂れた白いひもは花柱。 撮影:(2006.9.16 宮崎市)
画像4 雄花の各小花はオシベが3個で葯は黄色。 撮影:(2006.9.16 宮崎市)  画像5 苞鞘先端の孔から飛び出した雌小花の花柱。 撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像6 中央下淡黄緑色の苞鞘の花柱は雌性期で白色で太い、右上の
    淡緑色の苞鞘は熟期で花柱が枯れている。雄花序は未展開。
撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像7 葉は長さ50〜60cmにもなる披針形で幅約5cmと大きい。
    ゆったりと大きく弓なりに反った葉の中央の太い脈は白。
撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像8 葉の先は細く長く伸びて鋭く尖るが成葉の先端部は枯れていることが多い。
撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像9 葉の鞘は上部で広く開いて葉舌は1.5ミリほどと低いがよく見える。
撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像10 葉はイネ科特有の細い平行脈が走って、手で触ると微細な突起がひっかかる。
撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像11 葉の縁は細かい刃の鋸状になっていて、不用意に触れると指が切れるほど鋭い。
撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像12 果実は高さ9ミリほどの壺状形で非常に堅い。熟すと光沢のある黒や灰色や白色になる。 撮影:(2009.9.16 宮崎市)  画像13 苞鞘は開くことなく落ちるが、中にある種子は長さ約4ミリほどで麦のような深い縦溝がある。撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像14 茎の全形。普通は高さ1mほどだが、場所によっては大人の背丈ほどにもなる。
撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
画像15 稈の上部の葉腋から伸びた太い柄の先についた、苞鞘からはみ出した花柱と雄花序。 撮影:(2011.10.3 宮崎市) 
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