FILE NO 428 宮崎と周辺の植物
カカツガユ Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner var.gerontogea (Sieb.et Zucc.) Ohashi
和活が油 クワ科
撮影日 2014.5.25
撮影場所 串間市

  山口県、四国南部、九州~沖縄~台湾に分布するが、トゲが短くて曲がる基本種が中国南部~インドシナ~東アフリカ、オーストラリアに分布しているという。
 宮崎では沿海地の林縁や浅い山に自生しているが、殆どの場合蔓状に伸びた枝を見ることが多い。
 貝原益軒の大和本草:巻の十、(木の上)薬木類に記載があり、「和活ヶ柚、ヤマモモに似て味甘し柚の類ニハアラズ世俗にケンポナシに対して称す・・・」とある。
 雌雄異株だが果実のついた雌木を探すのは案外難しい。
画像1 道端の藪を蔓状に這っている小枝に咲いた雄花 和名の由来不詳 
画像2 高さ3mほどの樹、上部で蔓状に斜上した枝に熟した果実。
      一見、別名の山ミカンと呼んだ方が分かりやすい色と形状。
撮影:(2013.11.12 延岡市) 
画像3 画像2の樹形。このように幹部が直立して枝を分けていることは
      少なく、普通は基部から蔓状に伸びて分枝して樹等を這い登る。
撮影:(2013.11.12 延岡市)  
 
画像4 沿海林の藪を這い回っている株で基部の状態は不明。
        蔓枝から片方に小枝が、片方に堅く鋭いトゲが出ている。
            撮影:(2006.10.29 串間市)   
 
画像5 雄花序は小さな雄花が集合して大きさ6ミリほどの球状になって淡黄色。柄の長さは4ミリほど。
撮影:(2014.3.25 串間市)
  画像6 開花初期の雄花の拡大画像。花被片4個、オシベ4個が見える。退化メシベは見えない。
撮影:(2014.3.25 串間市) 
 
画像7 雌花序。大きさは雄花序よりやや大きくて直径7ミリほどの球形。肉厚の花被片の間から花柱が出る。柄は長さ約4ミリ。撮影:(2014.6.1 延岡市)     画像8 雌花の拡大画像。厚ぼったい4個の花被片の間からクルリと巻いた花柱が1個伸びている。花柱の長さ約1.3ミリ。撮影:(2014.6.1 延岡市)  
画像9 葉は大小の枝に互生し、大きさは葉身3~8cm葉柄長3~5cm。
       両面とも無毛でやや厚みがあるが堅くはない。両面に光沢がある。
撮影:(2006.10.29 串間市) 
 
画像10 若い葉の上面。縁に鋸歯はないが古い葉では時に鋸歯が出る。長楕円形で側脈は目立たない。
撮影:(2014.5.31 延岡市) .
画像11 若い葉の下面基部。くさび形で主脈だけが目について側脈等は葉身と同色で殆ど目立たない。
撮影:(2006.10.29 延岡市) 
 
画像12 葉の先は鈍形で先端部には目に見える大きさの小突起がある。
撮影:(2014.6.1 延岡市))
  画像13 葉や枝をを千切ると白く粘っこい樹液が出てくる。この点はクワ科の特徴。
撮影:(2014.6.1 延岡市) 
 
画像14 枝は平滑で灰白色、白っぽい楕円形の皮目が目立つ。堅いトゲは枝が変化したもので鋭い。
撮影:(2006.10.29 串間市) 
  画像15 幹は淡黄褐色で横長の皮目が無数にあって長さ2~3cmの堅いトゲが多い。
撮影:(2013.11.12 延岡市)  
画像16 果実は直径2~3cmほどの球形~軽い楕円球形、
         4個の花被が液質に肥大して鮮やかな橙黄色に熟す。
     撮影:(2013.11.12 延岡市) 
 
画像17 若い果実。形は花と同じで色だけが緑色になる。葉の陰で見えにくい。
撮影:(2013.7.23 延岡市) 
  画像18 熟果を半切した画像。種子が1個見える。食べるとねっとりと甘い。
撮影:(2013.12.2 延岡市) 
  
  
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