FILE NO 655 宮崎と周辺の植物
カナクギノキ Lindera erythrocarpa Makino
金釘の木 クスノキ
撮影日 2010.10.29
撮影場所 田野町

 
本州神奈川県の箱根以西~四国・九州の屋久島までと朝鮮、中国に分布するとされている落葉性の高木で、宮崎でも各地で普通に見られるが特に何かに利用するという話も聞かない。
 学名の「erythrocarpa」は赤い実のことで判りやすいが、和名については牧野図鑑に材質は堅く密ではない.金釘の樹の意味であろうが何のためにこのように名づけられたかは不明と記載されてる。
 樹皮の模様で鹿の子樹がカナクギに変化したという説はあるが、もう一つ説得力がない気がする。

 椎葉村の椎葉クニ子さんは「こうはり」と呼んで煙が出ずに良く燃えるので「ヒノトギ」にしたという・・おばあさんの植物図鑑から(斉藤政美文 葦書房1995年) 
画像1 枝先の葉が一部残った高さ約6mの樹の太枝で赤い果実が目立つ。
画像2 8mほどはありそうな樹は杉の緑を背景に落葉前の黄葉で遠くから目立つ。
     樹形は直立して太枝が真っ直ぐに伸び、大小の枝が多く分枝し丸っぽくなる。
    撮影:(2010.6.6 田野町
画像3 散形の花序は横枝から分枝した小枝の先で広がる若葉と同時に展開する。
撮影:(2004.5.8 田野町
画像4 花序を包んでいた総苞片はすぐに落ちて 中から多くの花が束状になって伸びてくる。花序の柄は1.2cmほど。 撮影:(2004.5.8 田野町 画像5 オバナ。差し渡し6ミリほどの花は10~20近くもあり、花被片6で、オシベは9個は内外2列に並んで黄色い腺体がつく。 撮影:(2010.5.18 田野町
画像6 メバナの花数はオバナより少なく10個前後、退化した仮オシベは6個で、腺体は見えにくい。
撮影:(2010.5.18 田野町
画像7 小花柄は長さ1cmほどで軟毛が多い。淡黄色の花被片はごく小さくて長さ3ミリほど。
撮影:(2004.5.8 田野町
画像8 枝先に互生する葉は間隔が詰まって束生状に展開し柳の新葉のように見える。
撮影:(2004.5.8 田野町
画像9 若葉の下面では主脈と葉縁に白っぽい長い毛が目立つ。鋸歯は無く側脈は網目を作りながら消える。
撮影:(2010.5.18 県西部
画像10 成葉の基部。上面は初めから無毛で、基部は徐々に細くなって長さ2cmほどの葉柄に沿着する。
撮影:(2010.5.18 県西部
画像11 黄葉の全景。遠くから葉黄したように見えるが、半ば枯れた葉が多い。
撮影:(2006.11.11 県央部
画像12 成葉の下面はやや白っぽい。見える側脈は4~6対、主脈を中央線にしてやや表側に反る。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像13 葉柄を含めて長さ13cmほどの葉は先が鋭頭、よく見ると目立たないが側脈がある。
撮影:(2010.10.29 県西部
画像14 枝先の葉芽と2つの花芽。来春咲く(花序を包んだ)花芽は前年の落葉時期にもう出揃っている。
撮影:(2010.10.29 県西部
画像15 落葉後も残って目立つ赤い果実は液果で、花序軸の先に数個の小花柄が開いてつく。
撮影:(2010.10.29 県西部
画像16 果実は直径7ミリほどの球形で長さ約1.5cmの小果柄は先端が膨れて果実と繋がる。
撮影:(2010.10.29 県西部
画像17 若枝は黄褐色で皮目だけが見えるが、徐々に浅い裂け目ができる。太枝になると皮目が樹皮全体に散らばる。撮影:(2010.10.29 県西部 画像18 幹は古くなると松の皮状に剥がれてくるが、鹿の子状に見えるほどの老樹はまだ見たことがない。 
思えない。撮影:(2010.10.29 県西部
トップへ 科名リストへ