FILE NO 653 宮崎と周辺の植物
カラスザンショウ Zanthoxylum ailanthoides Sieb. et Zucc.
烏山椒 ミカン科
撮影日 2010.8.14
撮影場所 県北部

 
北海道を除く日本全土〜台湾、朝鮮南部、中国大陸とフィリピンに分布するという雌雄異種の落葉生高木。
 宮崎県でも低山野に広く自生して普通に見ることができるが、どちらかといえば谷や沢等の周辺付近に多い気がする。
 
平面状に広がった樹冠は他の樹にはない独特の樹形で大きな葉と合わせて遠くからでも直ぐに分かるが、昔の里山の生活で特に利用されていた話も無いようで、良く見かける割には知られていない。
 漢方では果実は健胃、暑気あたりに効く生薬「食茱萸」となるそうだが、健胃の代表格で最近はビルの谷間で残飯まで荒らしている悪食のカラス等が好むことから名付けられたという説もある。
画像1 谷に架かる橋の上から遠望する山を背景に目の前に伸びた枝と蕾。 
画像2 画像1の橋の反対側から見た斜面林に黄白色の花が広がる独特の樹形。
     高さ7〜8mはありそうな特徴ある分枝の先に平面状に広がった樹冠。
    撮影:(2010.8.14 県北部
画像3 真夏、枝先に大きく広がった散房花序となって小さな花を密集させるが、
   多くの種類の昆虫たちが集まっても争う必要がないほど花数は多い。
   撮影:(2010.8.23 県央部
画像4 大きさ4〜5cmの小花序が集まって20cm近い散房花序になる。 撮影:(2010.8.23 県央部 画像5 花は幅が約3ミリ、黄色い葯の先までの高さ4ミリほどと小さい。 撮影:(2010.8.23 県央部
画像6 (オバナ)。花弁5は高さ2.5ミリほどの長楕円形でオシベ5、中央基部に退化したメシベがある。 撮影:(2010.8.21 県央部 画像7 花弁とオシベの一部を取り除いてガク片が見えるようにした画像。ガクは先が浅く5裂してごく小さい。 撮影:(2010.8.23 県央部
画像8 葉は枝の上部に集まるように出て全方向に展開するように互生する。
撮影:(2010.8.14 県北部
画像9 枝先に互生した葉。枝に刺はあるが葉軸に刺は殆どない。下部の小葉は早く落ちて10cmほどの葉柄が長く見える。撮影:(2010.8.14 県央部 画像10 葉は長さ50cm以上にもなり、奇数羽状複葉で中軸に10対ほどが対生して無毛。小葉の柄は短くて5ミリほど。撮影:(2010.7.20 県央部
画像11 小葉は濃い緑色の長楕円状の披針形で先は細く尖り、基部は左右ずれた円形。この葉は長さ約18cm。 撮影:(2010.8.23 県央部 画像12 葉下面で突出してよく見える側脈には長短がある。緑白色の下面は葉軸ともにすす模様で汚れることが多い。 撮影:(2010.8.23 県央部
画像13 葉の縁には低くて先に丸みのある鋸歯(鈍鋸歯)がある。 撮影:(2010.8.23 県央部 画像14 茎下面から見ると、葉内部の小さな油点が白く見える。 撮影:(2010.8.23 県央部
画像15 落葉後にも残る果実が枝先から房状に垂れ下がって見える。 撮影:(2004.12.25 県央部 画像16 ぎっしりとつく果実はあまり減ることなく残り、赤く熟し始めると傾く。 撮影:(2005.11.6 県央部
画像17 果実は高さ6ミリほどの淡紅色に斑の模様があるやや縦長の球形。 撮影:(2005.11.6 県央部 画像18 種子は大きさ3ミリ弱の黒い球形で表面にはしわがある。撮影:(2005.11.9 県央部
画像19 まだ分枝しない若い幹には鋭い刺が全面に生える。撮影:(2010.3.13 県央部 画像20 幹の下部では刺がなくなり基部のいぼ状突起が多く残っている。撮影:(2010.8.22 県央部
画像21 枝の刺も多いが、刺の数は年数や枝の場所等でも大きく変化するようだ。
撮影:(2010.8.21 県央部
画像22 幹は淡灰褐色で縦筋がある。少し刺があった幹部の丸く変化した刺の痕。
撮影:(2010.8.23 県央部
トップへ 科名リストへ