FILE NO 679 宮崎と周辺の植物
キガンピ Diplomorpha trichotoma (Thunb.) Nakai
黄雁皮 ジンチョウゲ科
撮影日 2012.8.3
撮影場所 鹿児島県

 静岡県以西、四国、九州鹿児島県佐多辺りまでと、朝鮮半島南部に分布するという落葉性低木、宮崎では山地の低木林や岩場等で日当たりの良い場所にまとまって生える。
 この仲間の樹皮は皆和紙の原料として昔から工夫利用され、紙になる斐の木で紙斐(カミヒ)と呼ばれていたのがカニヒに、そしてガンピに変化して雁皮があてられ、花の黄色いガンピなのでキガンピだという。
 種小名trichotomaは3岐の意で、枝が3~3と分岐することによるらしい。
画像1 高さ3m以上はありそうな直立気味の樹の上部の分枝状況 紙の材料だが栽培困難という
 画像2 やや湿り気のある道脇の平地で不整形に斜上した樹。
     地形は陽光に恵まれた適地だが、普通良く見る樹形。
撮影:(2012.8.3 鹿児島県) 
画像3 葉の上に見える枝先の果実は比較的早い時期から熟し始め、
   淡緑色のものと一部枯れたような淡赤褐色のものが混じる。
撮影:(2011.10.20 鹿児島県) 
 
 画像4 種小名のとおり枝は3岐しながら先端に伸びて、今年枝の
         枝先から淡黄色の花序を出す。 撮影:(2007.8.4 えびの市) 
画像5 花序も3岐してガク筒(花筒のように見える長さ7ミリほどの淡黄色花)をつける。
撮影:(2012.8.3 鹿児島県) 
画像6 ガク筒の先は4裂して、上下2段についたオシベ8個の内の上段オシベ4個が見える。
撮影:(2009.8.28 えびの市) 
 
 画像7 対生して出る葉はその間隔も均一ですっきりしている。
撮影:(2009.8.28 えびの市) 
画像8 (葉上面) 葉は長さ4~5cmほどの卵状楕円形、全縁で無毛。大きさの変化は大きい。
撮影:(2009.8.28 えびの市) 
画像9 (葉下面) 少し白味がかって縁がやや反り返る。脈が浮き出て見える。形は左右整形。
撮影:(2009.8.28 えびの市) 
画像10 葉柄はごく短くて無毛。新枝は赤みを帯びて、黄色い花と対比した時は全体美しい。
撮影:(2012.8.3 鹿児島県) 
画像11 赤みを帯びた新枝と2年目以降の灰色がかった枝。旧枝のつき方は不規則不整形。
撮影:(2012.8.3 鹿児島県) 
     
画像12 小枝を折っても強い樹皮は千切れない。内皮の繊維が紙に使われる。
撮影:(2012.8.3 鹿児島県)
  画像13 樹皮の色は変化の幅が広いが、滑らかで艶のある明るい茶色で、所どころに皮目。
撮影:(2009.8.28 えびの市)
     
 画像14 果実は長さ5ミリほどの紡錘形で下部が把っ手状に細くなる。
撮影:(2009.8.28 えびの市) 
  画像15 果実は熟すと中ほどから折れて中から直径2ミリ強の種子を出す。
撮影:(2011.10.20 えびの市)  
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