FILE NO 13 宮崎と周辺の植物
キレンゲショウマ Kirengeshoma palmata Yatabe
黄蓮華升麻 ユキノシタ科
撮影日 2004.8.15
撮影場所 県北部

 宮崎でも県北の山中ではかなりの範囲で見られたそうだが、自然林の伐採、道路の開設、採取等によって減少し、絶滅危惧U類とされ100年後の絶滅確率は90%と云う。
 宮崎ではさらに残った自生地も鹿の食害で減少に追い打ちをかけられている。
 確かに分厚い花冠を見ると花1個でかなりの量がありそうで、鹿にすれば効率的な餌なのかも知れないが、人間による鹿対策が必要だ。
画像1 国内でも自生地は紀伊、四国、九州の山地、いわゆる襲速紀地域に限られ、険しい山奥にあってめったに見られない花だったが、最近は林道等の開設で比較的気軽に観察できる機会が増えてきた。 属名、kirengeshomaは、明治23年に日本人が初めて世界に向け発表した新属名という。
画像2 この群生地は、今では人の手による鹿の侵入対策で保護されながら保たれている。
(撮影:2003.7.20 県北部) 
画像3 花序は3出、円錐状の集散花序となって頂生する。花は花序の先端から開く。
画像4 高さは1.3mほどになり、茎は無毛、茎の下部の葉柄は30cmにもなるが上部では無柄。葉は幅の方が少し長いがほぼ25〜30cmほどの円心形で掌状に浅裂する。 画像5 萼は先が3角に浅く5裂し、先は尖る。
花は長さ4.5cmほどになる。
花弁が落ちた花には、3本の長く伸びた花柱が見える。(撮影:2003.8.23 県北部)
画像6 花弁は先が尖る鮮やかな黄色で5個、片巻き状に並ぶ。花は先の広がらないラッパ状で、大きく開くことはない。(撮影:2003.8.23 県北部) 画像7 オシベは15個で離生して3列に配列、花柱は3個で離生して糸状になる。
画像8 花の時期、鹿に蕾を喰われて花が見あたらない群生地。今年も群生した花の様子を撮影に行ったが、空振りだった。 画像9 果実。周囲を見ると多くの小苗が見られるので、果実の発芽率は良いと思われる。
(撮影:2003.10.5 県北部)
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