FILE NO 661 宮崎と周辺の植物
sen
コバノカナワラビ Arachiniodes sporadosora (Kunze) Nakaike
小葉の鉄蕨 オシダ
撮影日 2011.2.20
撮影場所 国富町

 
関東地方以西、四国、九州~台湾、朝鮮半島~中国~インドシナ~ニューギニアまで分布するという常緑生のシダで、宮崎では樹林下のやや乾いた傾斜地等にまとまって生えていることが多い。
 鉄蕨は葉が非常に硬いから鉄(カネ)に例えたと、牧野図鑑に書かれている。
 世界に60種ともいわれるこのカナワラビの仲間は、自然雑種ができやすいことなどで種の区別にも未解決の課題が多いといわれ、また属名も二転三転しているといい、ややこしいシダではある。
画像1 傾斜地に立ち上がった葉は根際から葉先まで約1.1m
画像2 葉は3~4回羽状深裂し、最下羽片の下向き小羽片は、一番下の
      大きな羽片が目立ってハの字に開く。葉の質は硬い革質で深緑色。
撮影:(2011.2.20
 国富町)
画像3 胞子葉。羽片の幅が狭く小羽片の間隔が空いて2次小羽片の
    切れ込みも少なくほっそりしている。栄養葉のように傾かず
 上に伸びる傾向が強い。撮影:(2011.2.20
 国富町)
画像4 栄養葉の最下羽片で25cm近い長さ。小羽片の最下羽片はすぐ上の小羽片の2倍近く長い。 撮影:(2011.2.20  国富町) 画像5 栄養葉の2次小羽片の切れ込み具合と鋸歯先の尖った刺。 葉面は無毛で光沢がある。
撮影:(2011.2.20
 国富町)
画像6 葉は羽片と同様で一番下が最も広くて徐々に狭くなる。
    葉先は羽片状にならずに細長く尖った三角状に細まる。
撮影:(2011.2.20
 国富町)
画像7 胞子葉の下面。栄養葉に比べて混み合いが少なくすっきり。 属名「sporadosora」はソーラスの散らばったを意味する。
撮影:(2011.2.20
 国富町)
画像8 胞子葉の最下羽片の上面。外側羽片がその上側の羽片に比べて目立って長く、2次小羽片は栄養より小さくなる。
撮影:(2011.2.20
 国富町)
画像9 中央が胞子葉。上向きに伸びた胞子葉の立ち具合が、周辺で水平に
    広く開いた栄養葉に比べて良く判る。 撮影:(2011.2.20
 国富町
画像10 胞子葉の第2次小羽片下面。終期の包膜だが円腎形で全縁無毛と判る。
撮影:(2011.2.20
 国富町)
画像11 ソーラス(胞子嚢群)は羽片の最先端まで確実にしっかりとついている。
撮影:(2011.2.20
 国富町) 
画像12 ソーラスの付き具合。ソーラスは最下側脈の分岐脈先端から付き始め、
      位置は中肋と縁との中間。葉軸や羽軸には淡褐色の縮れた鱗片が散生。
が撮影:(2011.2.20
 国富町) 
画像13 葉柄から最下の羽片に分岐するヶ所、第2次小羽片の上面から流れた溝が続き、鱗片は取れて無い。撮影:(2011.2.20  国富町)  画像14 葉柄上部の鱗片。淡褐色の鱗片は線状の披針形で長さ7~9ミリほどになる。
撮影:(2011.2.20
 国富町) 
画像15 葉柄基部の鱗片は上部に比べて密度が濃いが大きさ色等は同じ。  
撮影:(2011.2.20
 国富町) 
画像16 根茎は短く横走して節くれだつ。隣合う葉柄は少なく地上に見える葉は2~3個程度。  
撮影:(2011.2.20
 国富町) 
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