FILE NO 424 宮崎と周辺の植物
コツクバネウツギ Abelia serrata Sieb. et Zucc.
小衝羽根空木 スイカズラ科
撮影日 2010.6.4
撮影場所 県中部

 
福井県〜長野県〜静岡県のライン以西四国・九州の屋久島にまで自生するとされる日本固有種で、宮崎では日当たりの良い山地よりの低木林で見られる。
 コツクバネウツギは、ガク片が残ったままの果実が羽根つきの羽根に似ている小型のウツギの意味で、ユキノシタ科のウツギとは特に関係はないが、茎も中空になって花冠の形も似たものが多く、この仲間も普通にウツギと呼ばれていたことによるようだ。
 画像14ではガク片が2個で衝羽根のイメージは薄いが、ツクバネウツギの場合はガク片が5個なので和名の由縁が理解しやすい。
 庭や沿道の修景に使うアベリアは、大正中期に持ち込まれた中国産を両親とする園芸種という。
画像1 横枝から伸びた細い若枝。花は2個並んで咲いていることが多い。   落葉性の小低木で葉は対生する。
画像2 石灰岩山地の尾根の低木、小数の横枝から出た短い花枝に咲き集まった黄色い花。
 撮影:(2005.5.14 県北部)
画像3 葉も花も変化の幅が大きく、小枝が密に多く出る全体の樹形は一定しない。
  幹が画面中央で複数本に見えるが、幹が根際から分枝することも多い。
撮影:(2010.6.5 県中部)
画像4 花冠は黄色や黄白色が多いが、同じ樹でも色合いの濃さは変化する。花冠基部のガク片は2つのものと3つのものがある。 撮影:(2005.5.14 県北部) 画像5 花はロ-ト状で無柄、長さ約1.7cm、花冠は幅1cmと横長で5浅裂。オシベ4は2個が長い。メシベ花柱は花冠とほぼ同長。 撮影:(2010.6.4 県中部)
画像6 花冠の内側咽喉部には毛がある。
撮影:(2010.6.4 県中部)
画像7 二唇状花冠の下部内側には橙色の網目がある。 撮影:(2005.5.14 県北部)
画像8 ガク片と花冠外側にも短毛がある。ガク片は花期には赤みを帯びる。 撮影:(2008.5.22 県北部) 画像9 ガク片は長さ8ミリほどで、先が浅く2裂することが多い。 撮影:(2010.6.5 県中部)
画像10 葉は長さ2.5cmほどの卵形〜狭楕円形で、鋸歯があるもの、ないものと変化が多い。
      葉柄はごく短く約3ミリ程度、上半部につく不揃いの鋸歯の数は少なくて数えられるほど。
撮影:(2003.5.24 県中部)
画像11 葉の側脈は1〜2対ほどで殆ど目立たない。
鋸歯は外に少し広がる。 撮影:(2010.6.5 県中部)
画像12 成葉の下面は殆ど無毛で脈が隆起する。葉の幅は中央部が最大。 撮影:(2010.6.5 県中部)
画像13 葉の縁には白く見える湾曲した細い毛がある。
撮影:(2010.6.6 県中部)
画像14 子房とガク片を横から見た画像、子房下部にガク状の苞がある。 撮影:(2010.6.5 県中部)
画像15 新枝以外の細い枝は褐色で節部は輪状に膨らんでいる。 撮影:(2010.6.4 県中部) 画像16 新しい枝は美しい赤褐色で対生する葉柄も赤みを帯びている。 撮影:(2010.6.4 県中部)
画像17 枝は古くなると段々白みが強くなって縦の裂け目が出てくる。 撮影:(2010.6.4 県中部) 画像18 古い幹は不連続な縦溝ができて薄い灰褐色に変る。 撮影:(2003.5.24 県中部)
画像19 花が終わったばかりの棒状の子房(果実)には薄い縦筋模様が見える。 撮影:(2010.6.4 県中部) 画像20 果実は頂部にガク片を残したまま熟して長さ約1cm、縦に稜が出る。 撮影:(2005.8.7 県北部)
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