FILE NO 410 宮崎と周辺の植物
クモノスシダ Asplenium ruprechtii Kurata
蜘蛛の巣シダ チャセンシダ科
撮影日 2007.2.11
撮影場所 県北部

 図鑑では北海道から九州まで広い範囲に自生すると言われている常緑性のシダで、かなりの県で絶滅が危惧されるなどの種に指定されているようだ。
 和名はクモシダでも良さそうな気もするが、クモノスシダとつけられており、その変わった形から一度憶えたら見間違うことは無い。
 宮崎では北部の石灰岩山地の岩の割れ目等に根茎を伸ばして、周囲の岩にへばりつくように葉を伸ばす。
画像1 大きな石灰岩の割れ目で長さ10cm近い葉を伸ばした株。常緑とはいえこの時期はさすがに葉の色は緑が薄く枯れたように見える。 別名でエンコウラン(猿猴ラン)とも云われる。
画像2 切り立った石灰岩の岩場でコケの中に根茎を
     伸ばして植物体を保持しているクモノスシダ。
撮影:(2006.9.21 県北部山地)
画像3 根茎から束生する葉は長さ、幅ともに大きく変化し、葉柄も長短があって葉先も長く伸びる。胞子嚢群がつく葉は細長く伸びる。
撮影:(2005.8.16 県北部山地)
画像4 横から見た株の葉、葉はだんだん細くなり基部で急に楔形に納まって、先は蔓状に長く伸びる。縁は大きな波状縁となりやや波を打つ。
撮影:(2005.8.16 県北部山地)
画像5 葉の先は異常に長く伸びて、先端が触れた地面に無性芽ができて
        新しい株になる。右上の葉の先が伸びて芽を出し、中央の新株になった。
撮影:(2005.8.16 県北部山地)
画像6 葉先が伸びてできた新株が次々とネット状に繋がって広がる様子を蜘蛛に例えた。
撮影:(2007.2.11 県北部山地)
画像7 胞子嚢群の形が見える葉の上面、葉身基部が葉柄に流れる形が見える。
撮影:(2005.8.16 県北部山地)
画像8 最大幅1.5cmほどの葉の下面脈上についたまだ若い線形の胞子嚢群は、まだ包膜に包まれている。 撮影:(2005.8.16 県北部山地) 画像9 包膜が開いて中から胞子嚢群が露出した状態。 撮影:(2005.8.16 県北部山地)
画像10 葉先が伸びてつる状に長くなるが、葉先が伸びない丸っこい葉もあり、成長度合いによるのかは不明。撮影:(2002.3.31 県北部山地) 画像11 伸びた葉先についた新株の根茎。ほぼ直立するが、生育環境からすれば長く伸びる余地はないようだ。撮影:(2005.8.16 県北部山地)
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