FILE NO 434 宮崎と周辺の植物
マダケ Phyllostachys bambusoides Sieb. et zucc.
真竹 イネ科
撮影日 2004.12.29
撮影場所 高岡町

 青森県以南の日本で広く栽培されており、中国が原産といわれていたが、本州で中新世紀の化石が出ていることや、縄文・弥生時代の遺跡から桿が出土していることから日本にも野生していたと思われる。参考(日本の野生植物 木本U 平凡社、1989年)
 イネ科ではあるが、花がめったに咲かないこと(60年〜120年?の一斉開花周期)などから、竹の仲間の整理分類も未だにできてないそうだ。
画像1 マダケは昔から歌に詠まれ、弓、細工物など生活に幅広く利用され、マダケの持つ強く爽やかさなイメージに日本人は憧れてきた。
 またエジソンの白熱電球の研究に寄与した有名な話等もあり、1日に1m伸びるといった秘めたエネルギーと不思議さへの思いの源は、その天に伸びる性質と心洗われるような独特の緑色にあるのかも知れない。
マダケは食用としてよりも実用性、精神性によって日本人に影響を与えてきたという意味で、竹類の中でも一番竹らしい竹だから真竹と言いたい。
画像2 筍から2ヶ月弱が伸長期間で、真っ直ぐ上に伸びて(最大1日で1m以上)成長は止まる。 画像3 節は2環状だが、環の高さはハチクに比べて低く、節の上部から伸びる芽溝が目立つ。
画像4 葉舌の先は切形、葉耳は半円形でそこにつく肩毛は桿に直角、放射状に開出する。
(撮影:2002.5.26 椎葉村)
画像5 マダケ(左)葉は下面がやや粉白色を帯びる。よく似たハチク(右)は葉の幅が狭く、下面が濃くて基部は楔形に次第に細くなる。
画像6 葉は枝先に3〜5枚につき、基部が円形に近く長さ約8cm、幅20mほどで広い感じ。 画像7 葉は下面に短毛があり、葉脈は縦脈に不規則な格子状となる横脈が入る。
画像8 筍は暗紫褐色の斑があり、無毛。
別名を苦竹というようにエグミがあり、食べるにはあく抜きが必要だが美味いという。ダイミョウ、コサン、カラ、モウソウといって筍のうまい順を言い伝えている。(撮影:2004.2.18 川南町)
(2005.1.22:・・・ マダケは4位内に入らないという説明を削除)
画像9 各節の環から大小大きさの違う枝を2本出すが、枝の第1節間は中心部に空洞がある。
  非常によく似ているハチクとの相違点は、この空洞の有無が重要。
トップへ 科名リストへ