FILE NO 619 宮崎と周辺の植物
マムシグサ Arisaema serratum (Thunb.) Schott
蝮草 サトイモ科
撮影日 2008.12.16
撮影場所 宮崎市

  このマムシグサは、花も果実の時期ともに目立つテンナンショウ(天南星)類の中でも、地域や環境毎の変化が多いので、特徴に基づいた様々な名で呼ばれるが、まとめてマムシグサというようだ。
 北海道〜九州〜朝鮮、中国東北部に分布、宮崎でも道脇の林下で普通に見られる。
 同じテンナンショウ属の仲間のキリシマテンナンショウムサシアブミとの違いは、葉や花の形で分かりやすいが、花も果実もあまり近寄って見ようという気にはなれない。
画像1 杉の疎らな植林地内、薄暗い藪の中に1本独特の果実が立つ。 全体無毛で雌雄異株
画像2 狭い林道わきの緩やかな法面で並んで花をつけた高さ70cmほどの株。
      道は舗装だが周囲は杉とシイやカシなどの照葉樹の落ち葉に覆われている。
撮影:(2008.3.29 日向市)
画像3 竹林内の株。葉は開きかけているが、花序はもう葉よりも高く伸びて、
  黒紫色〜淡緑色の中に白い縦縞のある仏炎苞が立ち上がっている。
撮影:(2008.3.9 宮崎市)
画像4 先が屋根になるように曲がった仏炎苞は高さ15cmほどで筒部の長さは屋根状の部分(舷部)とほぼ同長。 撮影:(2008.3.9 宮崎市) 画像5 仏炎苞は形や色も様々に変化した株があるが中の付属体先端は少しだけ付き出る。
撮影:(2008.3.9 宮崎市)
画像6 普通葉が開く前に地上に伸びる鞘状葉は太い針状。  撮影:(2008.3.9 宮崎市) 画像7 開いた鞘状葉の中に茎と折りたたまれた普通葉が見える。 撮影:(2008.3.9 宮崎市) 
画像8  高く伸び出した茎と、役目を果たした鞘状葉、蛇の皮状の斑点は両方ともにある。
撮影:(2008.3.9 宮崎市)
画像9 仏炎苞を手で破って中の花序を露出させると上部が棒状になった肉穂花序が見えるが、これは雄花序。  撮影:(2008.3.9 宮崎市)
画像10 雄花序の上部は1cmほどの柄があってその先が太い棍棒状の付属体となる。
撮影:(2008.3.9 宮崎市)
画像11 雄花序の雄花、花はいくつかのオシベが合着して大きさ1.5ミリほどの黒点に見える。
撮影:(2008.3.9 宮崎市) 
画像12 葉は茎から2個が出て烏足状に分かれて数枚の小葉が開く。変化の中に白い模様のある葉もある。 撮影:(200.8.3.9 日向市)  画像13  小葉は柔らかくて先が細く尖り、縁は大きく波状によれて主脈、側脈ともによく目立つ。
撮影:(2008.3.9 日向市) 
画像14 葉の上面。平行した側脈は葉の縁を走る脈に繋がる。 撮影:(2008.3.9 日向市)  画像15  茎の蛇模様は小葉柄にまで続く。和名はまだら模様による。 撮影:(2008.3.9 日向市) 
画像16 果実は長さ9ミリほどの棒球形で、長さ6cmほどの太い花軸表面にぎっしりとつく。
撮影:(2008.12.6 宮崎市) 
画像17 果軸を縦に切り裂いてみると、中は空洞で白い網目の膜状に繊維が広がっている。
撮影:(2008.12.16 宮崎市) 
画像18 1個の果実には、普通は大きさ3ミリほどの球形の種子2個が入っている。  
撮影:(2008.12.16 宮崎市)
画像19 地下球茎は直径6、厚さ3cmほどの偏球形で中は白い芋のよう。民間薬でリュウマチに効くという。  撮影:(2008.12.16 宮崎市)
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