FILE NO 542 宮崎と周辺の植物
マルバテイショウソウ Ainsliaea fragrans Champ. var. integrifolia (Maxim.) Kitam.
丸葉ていしょう草 キク科
撮影日 2005.12.11
撮影場所 宮崎市

 葉に鋸歯があるテイショウソウに対し、鋸歯がないテイショウソウということだが、このような意味でのマルバが頭に付いた植物は多い。
 テイショウソウは宮崎にはないが、このマルバテイショウソウは多くはないが珍しい程でもない程度にはある。
 テイショウソウの意味は不明。
 植物和名語源新考(深津正著 八坂書房 1995)には禎祥草についての考察が述べられている。
 独特の細長い草形のため、全景の撮影は難しい。 
画像1 道わきの上部が屋根状に残った崩落箇所で、周囲の樹の隙間から所々光のあたるがけ地、60cm近い花茎を伸ばした株。 2006.1.15に果実画像を追加
画像2 褐色の毛が張り付く細い花茎は傾くことが多く、頭花は穂状に疎らについて下向きに咲く。
撮影:(2005.12.11 宮崎市)
画像3 1つの頭花は3個の小花からなるが、しっかりと総苞に保持されて、1つの花に黒紫色のメシベが3個あるように見える。
撮影:(2005.12.11 宮崎市)
画像4 花柄は長さ2ミリほど、総苞は細い筒状で多列し、覆瓦状になって外片の先は尖る。右下の小花では左右に浅く開いた柱頭が見える。
撮影:(2005.12.17 宮崎市)
画像5 小花を一つ取り除いて押し広げると頭状花の形が良くわかる。花冠裂片は細長く5裂して捩れ、花冠基部には冠毛が見える。
撮影:(2005.12.11 宮崎市)
画像6 筒状花の筒部を引き裂いてメシベを取り出してみると、葯の下部で結束した花糸が弛んで細い数本の花糸が見える。
撮影:(2005.12.17 宮崎市)
画像7 葉は、地面に接するように数枚が茎の基部から出て、四方に展開する。
撮影:(2005.12.11 宮崎市)
画像8 葉は殆どロゼット状に出て、地際から葉身ほどの長さの柄を横に伸ばして広がる。
撮影:(2005.12.4 宮崎市)
画像9 卵形の葉は大きいものは長さ10cmにもなり、葉の色と形、模様は独特で、他に間違うことは少ない。撮影:(2005.12.4 宮崎市) 画像10 葉は基部がハート形、両面に褐色の毛が多いが、特に葉の周囲には褐色毛の縁取りが目立つ。撮影:(2005.12.17 宮崎市)
画像11 葉下面の長い褐色の毛の様子、毛の一部には地面に接してついた土が見える。
撮影:(2005.12.4 宮崎市)
画像12 褐色の長い毛に覆われた花柄。
撮影:(2005.12.17 宮崎市)
画像13 途中で枯れた花だが、枝がある長さ7ミリほどの冠毛、緩んで開いた総苞が見える。
撮影:(2005.12.24 宮崎市)
画像14  地下茎は直立した根茎の下から地中を這う細い根が長く伸びている。
撮影:(2005.12.11 宮崎市)
画像15 果実が熟すと総苞は開いて中から冠毛が広がってくる。撮影:(2006.1.15 宮崎市) 画像16 長さ約5ミリの果実上半部には短毛が斜上、冠毛は約1cm。撮影:(2006.1.15 宮崎市)
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