FILE NO 649 宮崎と周辺の植物
マルミカンアオイ Heterotropa subglobosa (F.Maek.) F.maekawa
丸実寒葵 ウマノスズクサ科
撮影日 2010.4.8
撮影場所 県内

 
カンアオイの仲間は日本〜中国、ベトナム北部に約50種が知られ中で、日本にはその半数が自生し多数の栽培変種もあるそうだが(日本の野生植物草本U1982年平凡社)、それぞれの違いは自生する地域ごとにはっきりしており、地方名がついた和名が多い。
 宮崎県は九州の中でも8種類と際立って種類が多いが(1993年5月発行のみやざきの自然7号、南谷忠志氏の「宮崎を代表する植物(2)カンアオイの仲間」から 有限会社鉱脈社発行)、素人目にその微妙な違いの見分けは簡単ではない。
 マルミカンアオイは熊本県の一部を含む宮崎県を主に分布している常緑の多年草で、ツクシアオイの品種とされている。
画像1 薄暗い広葉樹林がけ地、雨で流れた砂礫に埋まった株に咲いた花。   株全体が無毛で柔らかい。
画像2 画像1の花を正面から見た画像。4〜5cm長さの花柄は溜まった砂礫に埋まっている。
 撮影:(2010.4.8 県内)
画像3 がけ地岩場の隙間に根を張った株、この角度で花がつけば種子は下に零れて広がりそう。
撮影:(2009.4.4 県内)
画像4 花は花弁はなく、ガクの筒部は高さ1.5cmほど、広がったガク裂片の長さは約1cm。 
撮影:(2010.4.8 県内)
画像5 平開したガク裂片基部は2〜3段丸いリング状になり、開いた口の直径は5ミリほど。
撮影:(2010.4.8 県内)
画像6 殆ど地面に着いているガク筒はずんぐりと丸く、3裂した裂片との境は括れないのが特徴。
撮影:(2010.4.8 県内)
画像7 縦に割いたガク筒内部は格子状の網目が見え、オシベと花柱が見える。
撮影:(2010.4.8 県内)
画像8 オシベ12個は、メシベ花柱6個を取り囲む。花柱と斜めに切れた形の柱頭は、種毎に形が違っておてその特徴の見分けが重要。 撮影:(2010.483 県内) 画像9 上から見た6個の花柱と柱頭、その間にある6個と白っぽい柱頭の陰に隠れた6個のオシベで合計12個がある。 撮影:(2009.4.4 県内)
画像10  長卵形で基部が丸く切れ込んだ心形の葉は、白い雲紋のあることが多い。 撮影:(2010.4.8 県内) 画像11 葉の下面は光沢があり、色はかなり大きく変化する。全体に柔らかい。 撮影:(2009.4.4 県内)
画像12 展開後かなり成葉に近づいた葉の下面だが、環境の変化で変わる。 撮影:(2010.4.8 県内) 画像13 まだ展開して間もない時の葉下面は、脈も含めて赤みが強い。 撮影:(2010.4.8 県内)
画像14 葉柄は長さ14cmほどにもなって黒紫色、柔らかくて艶がある。 撮影:(2010.4.8 県内) 画像15 (参考) マルミカンアオイの基本型と言われるツクシアオイの花。 撮影:(2009.5.9 県内)
(注)1 上記の説明については、冒頭に記載した「みやざきの自然」の記事を参考にさせていただきました。
(注)2 詳細な花の構造等については、表紙のリンク先「石川の植物」のヒメカンアオイに詳細があります。
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