FILE NO 394 宮崎と周辺の植物
ミツバアケビ Akebia trifoliata Koidz.
三つ葉木通 アケビ科
撮影日 2006.9.24
撮影場所 五ヶ瀬町

 県内のアケビの仲間は、アケビ、ミツバアケビ、ムベが多く、ゴヨウアケビは少ない。
 ムベは別にして、その他は小葉の枚数、形以外にそれほど大きな違いは無さそうだが、先人が様々に工夫利用してきた中で、アケビ細工にはミツバアケビの蔓を使うとjか、その性質はかなり違うようだ。
 アケビと違ってミツバアケビは北海道から九州まで自生して馴染み深いが、近年では山好きの人を除けば、あの甘いが種の多い果肉を喜んで食べる人も少なくなった。
画像1 何処までも伸びる逞しい蔓は、低地はもちろん、この1000mを超える山地の樹にも巻きついて頭上高くの葉陰に果実をつけるが、上空の鳥には見えないと思われる。 日干しにした蔓は煎じて腎炎、膀胱炎、利尿に薬効のある生薬「木通」として知られる。
画像2 蔓は広範囲にむやみに伸びて全景の写真は難しいが、
     若葉の時期にはその枝ぶりの八方へ広がる勢いが分る。
撮影:(2006.4.15 都農町)
画像3 右端に裂開した部分が見えるが、果実の色も変化が多い。撮影:(2005.10.22 綾町) 画像4 完全に裂開した果実。長さはほぼ8cm。
撮影:(2006.9.24 高千穂町)
画像5 熟した果実の果肉部分、黒い種子を取り巻いた仮種皮は甘みが強くて美味しい。
撮影:(2006.9.24 高千穂町)
画像6 メシベは普通1〜3個が結実するが、時に全部が果実になるものも見られる。 
撮影:(2006.9.24 高千穂町)
画像7 花は雌雄同株で雌雄異花、新葉と同時に花序も伸びる。
撮影:(2002.3.24 西都市)
画像8 長く垂れ下がった花序の下方(基部のほう)に柄のあるメバナがつく。
   花弁のように見える長さ1.5cmほどの濃紫色のガク片が3個広がり、
   その中央に円柱状に立った同色の柱頭が開いたメシベが3〜7個つく。 
撮影:(2002.3.24 西都市)
画像9 花序の基部近く、軸にほぼ直角にメバナが2〜3個、上部(先のほう)にオバナがつく。
撮影:(2002.3.24 西都市)
画像10 オバナは総状で濃紫色、短い花柄があり、反り返ったガク片とオシベ6個がある。
撮影:(2002.3.24 西都市)
画像11 葉は名前のとおり、卵形〜広卵形で縁に波状の鋸歯のある小葉3個からなる。
撮影:(2006.9.24 五ヶ瀬 町)
画像12 葉は両面ともに無毛、脈と葉柄の接続部は小さな節状になる。
撮影:(2006.9.24 五ヶ瀬町)
画像13 (参考) アケビの葉、5個の小葉は長短変化の多い楕円形で、鋸歯はない。
撮影:(2006.3.19 宮崎市)
画像14 (参考) ゴヨウアケビの葉、5個の小葉には浅い鋸歯が波型に出る。ゴヨウアケビの花
撮影:(2002.5.5 高千穂町)
画像15 丈夫な蔓は灰褐色で丸い皮目が多い。細くて丈夫な蔓はアケビ籠などを編む。
撮影:(2006.9.24 五ヶ瀬町)
画像16 蔓は右巻き(地面から上を見て時計回り)に巻きついて緩むことなく枝を締める。
撮影:(2006.9.24 五ヶ瀬町)
画像17 多少大きさの違う果実(長さ8cm前後)2個の種子を数えたら、113個と125個だった。
撮影:(2006.9.24 五ヶ瀬町)
画像18 種子は艶のある黒褐色で長さ5ミリほど、形の変化もいろいろだが、主に石斧状。
撮影:(2006.9.24 五ヶ瀬町)
トップへ 科名リストへ