FILE NO 400 宮崎と周辺の植物
ミツマタ Edgeworthia chrysantha Lindley
三椏・三叉 ジンチョウゲ科
撮影日 2006.2.26
撮影場所 西米良村

 三椏の椏はアで、樹の股、枝を意味するが、ガンピの類が日本固有の和紙原料なのに対し、ミツマタ、 コウゾは中国の方から渡来したらしい。
 万葉集にも出てくる三枝(サキクサ)がミツマタのことであれば相当に古い時代に遡るが、記録では慶長の頃にはすでに製紙原料に使われていたという。
 国の印刷局から原料情報の公開はないが、1万円札はミツマタが主原料といわれ、紙幣の美しさと丈夫さは日本文化の程度を示している。
画像1 谷川の土砂の堆積した砂防用ダムに、群生したミツマタ。
画像2 高さ1.5mほどのミツマタの樹形、幹が三又に分かれる形そのままに広がる。
撮影:(2005.3.27 西米良村)
画像3 葉が展開する前に枝先に頭状花序を出し、40〜50個前後の花をつける。
撮影:(2002.3.24 西米良村)
画像4 花は外面が白色の絹毛に覆われ、長さ1.5cmほどの萼筒は先が4裂する。
撮影:(2005.3.20 西米良村)
画像5 花は両性で花弁はない。オシベは8個あるが、外からは4個だけが見える。
撮影:(2005.3.20 西米良村)
画像6 花が済んだ後の夏ごろ、今年枝が3方向に伸びて短い絹毛のある葉を互生する。
撮影:(2005.7.24 西米良村)
画像7 葉は長楕円形〜披針形で全縁、長さは約20cm、幅5cmほどで先は尖る。、
撮影:(2005.7.24 西米良村)
画像8 葉の下面は、絹毛が多く白緑色を帯びて脈がはっきりとみえる。
撮影:(2005.7.24 西米良村)
画像9 長さ5ミリほどの卵形の果実は熟しても緑色、絹毛の萼筒がのこったまま包む。中に種子1個がある。撮影:(2005.5.4 西米良村)
画像10 若い枝は黄緑を帯びて、いかにも柔らかい感じがする。撮影:(2005.7.24 西米良村) 画像11 樹幹は縦の筋があり、少し黄味のある褐色。撮影:(2006.2.26 西米良村)
画像12 小指ほどの枝を折った状態、表皮が一部切れる程度で、ポキッという音はない。
撮影:(2006.2.26 西米良村)
画像13 力を入れて枝を引きちぎった状態、樹皮の柔軟性は相当なもの。
撮影:(2006.2.26 西米良村)
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