FILE NO 476 宮崎と周辺の植物
ミヤマザクラ Prunus maximowiczii Ruprecht
深山桜 バラ科
撮影日 2010.5.6
撮影場所 小林市

 
北海道〜九州の霧島地域の山地より、樺太、朝鮮〜中国東北部地域にも自生するといわれる落葉性の高木で、別名に「シロザクラ」の名もあるという。
 宮崎でも標高の高い山がある県西・県北部に限って見られる樹で、和名「深山桜」のとおり山中にあってやや稀な樹種だが、場所によっては山地を走る道路からも白い花を遠望できる。
 山地樹林内で
やや赤みを帯びる新葉の展開と同時に開花するヤマザクラを見馴れた者にとって、ヤマザクラの花が終わることはサクラの季節が終わることになるが、ちょうどその頃、葉が完全に展開した緑の枝の上に見栄えのしない花をつけるのがミヤマザクラで、下界のサクラとは無縁のようだ。
画像1 白い花が満開のミヤマザクラの後方に少し見えるのはヤマザクラ。
画像2 花は、横に長く伸びだした枝葉の上で花序ごとに小さな塊りになってつく。
 撮影:(2010.5.6 小林市)
画像3 花は他のサクラ類と違って総状花序になり、枝状に出る花柄の先に10個ほどつく。
撮影:(2009.4.29 小林市)
画像4 花序は側枝に上向きについて、全体が開花すると大きさ6cmほどの半円状になる。 花序の軸に托葉が残るのが特徴。 撮影:(2009.4.29 小林市) 画像5 花は普通のサクラと同じだが大きさは差し渡し2cmほどで、花弁の先が凹まないことが大きな違い。
撮影:(2009.4.29 小林市)
画像6 花柄は長さ1.7cmほど、基部につく托葉は通常の葉と同形で長さ8ミリほどで果期まで残る。
撮影:(2009.4.29 小林市)
画像7 花柄、ガクには毛が密生する。ガク筒は鐘型、ガク裂片は長楕円形で鋸歯が目立って先は細く尖る。
撮影:(2009.4.29 小林市)
画像8 互生する葉は脈が浅く凹んで光沢がない。葉は主脈の左右で多少折れて平開しない。
撮影:(2008.6.21 小林市)
画像9 長楕円形の葉は長さ7cmほどで葉柄は1cm。重鋸歯は全体にある。 撮影:(2008.6.21 小林市) 画像10 葉の下面は淡緑色で隆起した脈上に伏毛がある。  撮影:(2010.5.6 小林市)
画像11 蜜腺は葉身の基部にある。葉柄の毛は最後まで残る。 撮影:(2008.6.21 小林市) 画像12 鋸歯は2重鋸歯となっており、その先端は腺で終わっている。 撮影:(2010.5.6 小林市)
画像13 横枝の花序は短枝状に出た葉の間から伸びて葉の上で花が開く。 撮影:(2009.4.29 小林市) 画像14 葉柄には軟毛が密生している。左の葉の葉身基部には腺が見える。 撮影:(2010.5.6 小林市)
画像15。 枝は灰褐色で、突出した皮目が不規則に点在する。 撮影:(2010.5.6 小林市) 画像16 果実は直径6ミリほどの球形で花柄も一緒に赤くなり後黒熟する。 撮影:(2008.6.21 小林市)
画像17 黒く熟した果実。花柄には毛が残る。
撮影:(2002.6.1 大分県)
画像18 樹皮は灰褐色で横長の皮目が目立つ。
撮影:(2010.5.6 小林市)
画像19 高さ6〜7mほどの樹。全体やや横広の円形で、大小の枝が横に張り出す樹形になる。
 撮影:(2010.5.6 小林市)
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