FILE NO 245 宮崎と周辺の植物
ミゾソバ Persicaria thunbergii (Sieb. et Zucc.) H. Gross
溝蕎麦 タデ科
撮影日 2011.9.26
撮影場所 田野町

 北海道〜九州、朝鮮半島〜中国北東部に分布する一年草で、水湿地に群生して10月頃に一斉に花を咲かせる。
 宮崎でも田の畦やぬかるような湿地等にごく普通に見られ、草丈は一見短そうに見えるが、引っ張って見ると地際で長く這った細い茎がついて来て驚くことがある。
 別名に、ウシノヒタイ、コンペイトウグサがあるが、葉は確かに牛の顔を正面から見た感じ、蕾の集団はコンペイトウに良く似て、特徴を掴んだ呼び方で分かりやすい。
画像1 膝上の高さの群生中 この茎を引いたら横に這った茎がついてきて長さは1.1m、寝た茎からは細い根が2〜3本出ている。 ソバに似て溝に生えるからで、ソバの画像16に掲載
画像2 花序は茎や枝の先に総状につくが差し渡し1.3cmほどの大きさの
    コンペイトウ状にかたまってつき、ガクは一部が淡紅色に染まる。
撮影:(2009.10.22 県中部) 
画像3 水でぬかる水田に群生した株、地際から横に這って立ち上がる。
撮影:(2011.9.29 田野町) 
画像4 花序の開花初期。花弁状のガクの先端が僅かな淡紅色で、これはこれから花が咲く花序。花の柄には腺毛がある。
撮影:(2006.10.15 田野町) 
画像5 (開花終期) 花が終わった後のガクは濃い紅色に変わって果実を包んだまま残る。左右端の花は開花中で色が薄い。
撮影:(2011.9.29 田野町) 
画像6 花は花弁のように見えるガクが5裂、裂片の先だけが淡紅色で
      基部は白。開いたガクは差し渡し6〜7ミリ、オシベは7個内外。
 撮影:(2006.10.15 田野町) 
画像7 右端の蕾以外は全てが果実を包んだ花被で、1個は花被を取り除いて見た若い果実。 撮影:(2011.9.29 田野町)  画像8 未だ若い果実だが3稜形。長さ3ミリほどの大きさで先が尖って黒熟するとソバの果実に似る。 撮影:(2011.9.30 田野町) 
画像9 互生する葉は長いもので10cmほどになる鉾型で基部が耳状に張り出している。
撮影:(2009.11.14 田野町) 
画像10 葉の上面には小さな刺毛と星状毛、縁毛がある。基部は切り型で葉柄には翼がある。
撮影:(2009.11.14 田野町) 
画像11 葉の下面。脈が隆起してよく見える。横に張り出した耳部の先は鈍形。
撮影:(2009.11.14 田野町) 
画像12 葉の下面も上面と同様に星状毛と刺毛があって手で触るとザラザラした感触がある。撮影:(2005.10.16 田野町) 
画像13 タデ科特徴の托葉鞘は斜めに切れた高さ6〜7ミリの筒型で縁毛は短い。
撮影:(2009.11.14 田野町) 
画像14 托葉鞘の先端は時に緑色の葉状に広がる。葉縁に密生した白毛が見える。
撮影:(2009.11.14 田野町) 
画像15 茎は稜のある方形で下向きの小さな刺が多く、手指で触ると痛い。茎はソバと同様に赤みを帯びることが多い。
撮影:(2009.11.14 田野町) 
画像16 (参考)よく似ているソバの花と葉。葉も果実もミゾソバに似ているが、他にもこの仲間は似たものが多い。
撮影:(2009.11.14 田野町) 
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