FILE NO 593 宮崎と周辺の植物
モクレイシ Microtropis japonica (Franch. et Savat.) H.Hallier
木茘枝 ニシキギ科
撮影日 2008.2.16
撮影場所 日南市

 房総半島や伊豆諸島、神奈川県から飛んで九州長崎の島々、宮崎県以南台湾まで自生の変わった分布の常緑小高木で、宮崎でも中部以南の海岸林などに限られる。
 モクレイシはツルレイシ(蔓茘枝:野菜のニガウリ)の赤く熟した瓜に種子が似ているからといわれている。
 ツルレイシが、食用になるウリの表面がブツブツしている様子が、あの楊貴妃が好んだレイシ(茘枝)、ライチーともいう果物のブツブツから来ているにしても、友達の友達は友達にはならないようにレイシに縁はない
画像1 波音が聞こえる海岸林、枝先で勝手な方向を向いた葉の間にぎっしりとついた小さな花は芳香を発し、心地よい入浴剤を思わせる。 木は普通高さ3〜4nほど。
画像2 樹形は照葉樹林内で光を求めて枝を広げるため様々に変化するが、
    画像11のように枝葉本来は端正に出る。この木は高さ2.5mほど。
撮影:(200.2.11 日南市)
画像3 花は濃い緑色の葉のつけ根に固まって下からは見えにくい。 撮影:(2008.2.11 日南市) 画像4 花は葉腋から出る短い花序の周囲に丸まるようにつく。  撮影:(2008.2.16 日南市)
画像5 花は、2cmほどの花柄の先に小さな集散花序となって咲く。 撮影:(200812.11 日南市) 画像6 ガクは5深裂して裂片は半円形、ガク筒は鐘形になる。 撮影:(2008.2.11 日南市)
画像7  (雄花)黄白色の花冠は5裂して差し渡し8ミリほど、オシベ5は花冠の高さ。
撮影:(2008.2.11 日南市)
画像8 (雌花)花冠はオバナよりやや小さい。花冠内で見にくいが、メシベの先の柱頭は4裂する。
撮影:(2008.2.11 日南市)
画像9 果実は長さ2cmほどの緑色楕円形、熟しても色はそのままで、2裂して種子を出す。
撮影:(2008.2.11 日南市)
画像10 種子は1個で長さ1.7cmほどの紅色、開花時期に裂開した果実を見ることも珍しくない。
撮影:(2007.4.8 日南市)
画像11 葉は対生。葉身は卵形〜楕円形で2cmほどの葉柄を含めて長さ約12cm、両面とも無毛。
撮影:(2008.2.11 日南市)
画像12 葉上面の一部、鋸歯はなく、葉脈は浮き出ることもなくはっきりしない。
撮影:(2008.2.11 日南市)
画像13 葉下面、葉柄への移行はスムーズなくさび形で先端は鈍形。側脈10個ほどは分かる。
撮影:(2008.2.16 日南市)
画像14 葉は厚く、上空に透かしてみても、透視性が悪くて脈がはっきり見えない。
撮影:(2008.2.16 日南市)
画像15 葉柄は深緑色で、新しい枝は暗紫色。
撮影:(2008.2.11 日南市)
画像16 幹は灰褐色で小さな皮目が多く、だんだん灰色が強くなる  撮影:(2008.2.11 日南市)
トップへ 科名リストへ