FILE NO 656 宮崎と周辺の植物
モミジコウモリ Cacalia kiushiana Makino
紅葉蝙蝠 キク
撮影日 2010.12.14
撮影場所 宮崎市

 
学名では「kiushiana」とあるが、実際は九州でも宮崎県と熊本、鹿児島の3県にだけ見られるという多年草で、県内では薄暗い林内等で見られるがやや稀。コウモリソウの仲間の花や果実はどれも良く似て見栄えしないが、葉の形は種ごとに少しずつ違っているのが特徴で、各地で住み分けている種も多い。同じコウモリソウ属で九州の意味を表現する筑紫が頭についた「ツクシコウモリソウ」は福岡県以外の九州各県に分布するが、こちらの方はは学名が「nipponica]となっているのも面白い。
 枯れる時期になってもキチンとした5角形を保っている葉が多いので、食草にする昆虫等は少ないのではなかろうか。
画像1 果軸の先端まで高さ50cmほどの株で、柄の長い葉が疎らにつく。
画像2 頭花は茎先に伸びた総状の花序に円錐状につくが殆ど目立たない。花序の
    軸は高さ20~30cmほどに伸びて、最長の最下小花序軸の長さは5~6cm。
    撮影:(2010.10.22 宮崎市
画像3 谷脇の岩場で傾いた果熟期の株で、先端の果実まで約70cm。
      完熟した果実は風で飛び始めているが葉は未だ瑞々しく艶がある。
撮影:(2010.12.16 宮崎市
画像4 小花序に筒状花は4~5個つき花冠は長さ1cmほど、花冠基部には淡緑色のガク状の小さな苞が7個ほどある。 撮影:(2010.10.22 宮崎市 画像5 総苞片は5個で1列に並んで長さ1ミリ弱、花冠は総苞片よりやや長い。6~7個ある小花の内4個が開いている。 撮影:(2010.10.22 宮崎市
画像6 花が終わった後の花序。総状の円錐花序は疎らに出て単純。
撮影:(2010.10.22 宮崎市
画像7 果序。硬くなり星型に開いた総苞片とパラシュート型の冠毛が見える。 撮影:(2010.12.16 宮崎市 画像8 果実は長さ4ミリ超、冠毛は差し渡し7ミリほどの広さに開く 。撮影:(2010.12.16 宮崎市
画像9 葉は上面が濃緑色で密生した軟毛は徐々に減って後に散生、浅く切れ込んで5角形になる。
     葉は長さ15cmにもなる葉柄に縦13cm、最大横幅15cmの大きさでつく。雑な鋸歯がある。
撮影:(2010.10.22 宮崎市
画像10 葉の上面。基部は深く切れ込んで掌状脈は溝状にへこんむ。 脈間にひび割れ状の細脈がある。 撮影:(2010.12.14 宮崎市 画像11 茎を横から見た画像。茎は無毛で艶があり互生する葉柄の上側は僅かに赤みを帯び、横に張り出す。 撮影:(2010.10.22 宮崎市
画像12 葉の下面。白緑色で密生した白い軟毛は徐々に減るが同色で目立たない。隆起した脈が良く見える。撮影:(2010.12.14 宮崎市 画像13 下面拡大画像。やや厚みがあり柔らかい。脈上に残った白軟毛はごく短くて見えにくい。
撮影:(2010.12..17 宮崎市
画像14 花序軸には短い淡褐色の毛が密生するがやがて無くなる。枝の基部は一部を除いて軸を抱く。撮影:(2010.10.22 宮崎市 画像15 葉柄の基部は少し葉状に広がって茎を取り巻くが、不完全で切れ目ができる。
撮影:(2010.10..22 宮崎市
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