FILE NO 598 宮崎と周辺の植物
ムラサキケマン  Corydalis incisa (Thunb.) Pers.
紫華鬘 ケシ科
撮影日 2008.3.20
撮影場所 日南市

 北海道から琉球までと、中国にもある2年草で、見かけは柔らかくて食べられそうだが、全草に毒性があり、食べると心筋に障害してケイレンを起こすという。
 別名をヤブケマンというように林中の日影地にひっそりと咲くが、、日本中で見られる花だけに花の色も、紅紫色、淡紅色、白色と変化が多い。
 中でも、花弁の先端を残して白い花を(品種名)シロバナヤブケマンといい、特に先端まで白いものはユキヤブケマンと呼んでいるようだ。
画像1 舗装された道路わきの草地、高さ40cmほどの茎を伸ばしてその先に総状花序をつけた株、車が通るたびに風で揺れる。 和名は紫のケマンソウの意味らしいが、ケマンソウの花が華鬘の形に似ているのは分るが、こちらのほうはケマンソウの花には似ていない。 ここではシロバナヤブケマンも花の色以外はムラサキケマンと同じと考え、特徴を示す画像に使用している。
画像2 県内ではシロバナヤブケマンも時に見かけるが、比較的日当たり
    の良い場所で見かけることが多く、花弁の先端部だけが紅紫色。
撮影:(2008.3.20 宮崎市)
画像3 宮崎では一般的な淡い紅紫色の花。長さは約1,8cmでその中ほどよりやや後ろで花柄についている。 撮影(2008.3.20 日南市) 画像4 苞は扇形で深く切れ込んでくさび状に尖る。 撮影:(2008.3.20  シロバナヤブケマン 日南市)
画像5 花弁は4個が重なった形で、上下2唇に別れている。 撮影:(2008.3.20. 日南市) 画像6 上の花弁は後部がふくろ状の距となる。
撮影:(2008.3.20 日南市)
画像7 オシベ6個は、3個づつの花糸が合成して2個のようだがここでは見えない。メシベ先端には柱頭が見える。 撮影:(2008.3.20 日南市) 画像8 花柄との接続箇所に見えるガク片は2個で、ごく小さく糸状に裂けている。
撮影:(2008.3.22 シロバナヤブケマン 日南市)
画像9 葉は3角状に広がる2回3出の複葉で全体で長さ約5cmほど、
    小葉もまた2〜3回切れ込む。表面には白斑が良く見られる。
撮影:(2008.3.22 日南市)
画像10 葉の上面。小葉の切れ込みと欠刻状の葉先。 撮影:(2008.3.22 日南市) 画像11 葉の下面。しばしば腺点のある葉が混じることがある。 撮影:(2008.3.20 日南市)
画像12 全草無毛。茎は5角形で、稜には微細な鋸状突起がある。 撮影:(2008.3.20 日南市) 画像13 茎を引きちぎると白い繊維が5個出てくる。 撮影:(2008.3.20 日南市)
画像14 5角形の茎の横断面、内部は空洞になって5個の繊維が見える。
撮影:(2008.3.20 日南市)
画像15 茎の基部は、柔らかくみずみずしい感じで 根元から出る葉柄は長さ20cmほどもある。
撮影:(2008.3.20 日南市)
画像16 果実は 果柄の先で直角に曲がって下向きにつく。 撮影:(2008.3.22 日南市) 画像17 果実は峡長楕円形で長さ約1,6cm、先端に柱頭が残る。  撮影:(2008.3.20 日南市)
画像18 果実は淡緑色のまま熟し、縦に裂けて果皮が巻き上がる勢いで種子を跳ね飛ばす。
撮影:(2008.3.22 日南市)
画像19 種子はやや歪のある扁平球で1果実に9〜13個ほどある。直径1,2ミリほどで、見えにくいが種枕がある。 撮影:(2008.3.22 日南市)
特に表記してないが、画像10 、16、 18、 19 もシロバナヤブケマンの画像。
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