FILE NO 117 宮崎と周辺の植物
ムラサキセンブリ Swertia pseudochinensis Hara
紫千振 リンドウ科
撮影日 2004.11.6 夕方
撮影場所 県西部

 宮崎で知っている範囲では、乾燥気味の林縁等の草地に生えるが、生育環境の減少でセンブリと同様に通りすがりの道路周辺では見られなくなった植物の1つで、センブリが北海道以南に自生するのに対して、このムラサキセンブリは関東以西に自生する。
 センブリに似てはいるが、センブリの代わりになるような薬効はないという。
 種小名の「pseudochinensis」は中国種に似ているという意味のようだが、本物のセンブリの種小名は「japonica」でちゃんと「日本の」となっており、センブリに比較されることで存在を主張せざるを得ない宿命のようだ。
 花弁が淡紫色で紫のすじがあるので見分けやすいが、図鑑の検索では顕微鏡で見た場合に、茎や萼裂片の縁に隆起した細点があるのに対し、センブリでは隆起した細点がないことが大きな違いとなっている。 
画像1 高さは50cmほどあり、茎の上部で枝分かれして対生する葉は混み合ってつく。  (画像3、4、5、7、8、10は2004.10.23の太陽光のあたる時間に撮影)
画像2 花冠は直径2.5cmほどで平開する。 画像3 オシベがまだ十分に開かない状態の花。
画像4 オシベが開き始めた花。花冠は深く5裂し、オシベは5個。 画像5 完全に開いた花。オシベは花冠裂片の間に伸びるので、裂片正面の向かい側に見える。
画像6 萼と花冠裂片の一部を外してみた。見えにくいが、花冠裂片の基部に2個の蜜腺があり、周りを毛が覆っている。 画像7 萼裂片は線状披針形で、ほぼ裂片と同じ長さ。
画像8 葉は線状披針形で長さ4cm近くになる。 画像9 蕾、萼片、葉の様子。
 
画像10 茎は太くて暗紫色を帯びて角がある。
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