FILE NO 263 宮崎と周辺の植物
ナンテンハギ Vicia unijuga A.Br.
南天萩 マメ科
撮影日 2009.4.26
撮影場所 県央

 
北海道〜九州、朝鮮半島・中国〜シベリア、樺太に分布するという多年草で、中国では「歪頭菜」と呼ばれて疲労回復に煎じられるといい、日本でもアズキナの名で山菜として利用する地域も多いらしいが、宮崎ではやや稀な部類の植物に属し、普通の道端で簡単に目にするほどありふれた花ではない。
 図鑑等には開花時期は4月〜10月となっているが、個体や環境によって違うのか、県内のある場所では毎年4月に、ある場所では毎年10月に開花している。
 葉の形に特徴があり学名の「unijuga」が1対のを意味するように、葉が1対になっているので、一度見れば他のソラメメ属の花と見間違うことはない。
 マメの仲間だが巻きひげはない。
画像1 基部から1m近くも伸びて横に這って少ない枝を分け花をつける。  
画像2 花は葉腋から伸びた5cmほどの柄の先に高さ約4cmの総状花序をつける。
    花は柄の一方に偏ってつき、皆同一方向を向いて咲く。(小雨の中で撮影)
 撮影:(2009.4.26 県央)
画像3 舗装道路の脇の草地に群生した株は、基部から幾つかに分かれた枝が
      上部でまたさらに幾つかに分かれて寄せ集まり、まとまって花をつけた。 
撮影:(2009.10.4 県央)
画像4 向きが同じ花は、花の位置が少しづつ変わって構造が判りやすい。 撮影:(2001.10.7 県央) 画像5 斜形のガクは長さ約4ミリ、尖った5個のガク裂片は下側が一番長い。撮影:(2010.5.13 県央)
画像6 虫を呼ぶ旗弁の蜜標模様、左右の翼弁の隙間からオシベが見えている。 撮影:(2010.5.13 県央 ) 画像7 画像6で垣間見たメ・オシベは、1cmほどの所で直角に上に曲がる。 撮影:(2010.5.13 県央)
画像8 葉は別名「フタバハギ」ともいうように長さ7ミリほどの葉柄の先が、
      2小葉だけの複葉となっており、小葉の変化は大きいが長さ5.5cmほど 。
 撮影:(2010.5.13 県央)
画像9 新葉では、托葉も成葉では見えにくい葉縁の軟毛も良く見える。  撮影:(2010.5.11 県央) 画像10 葉柄の溝と托葉、葉柄基部の赤くなった茎と縦溝、固い茎等が特徴。 撮影:(2010.5.11 県央)
画像11 約5.5cm長の葉の下面はやや白みがある。葉柄基部から花柄が伸びる。 撮影:(2010.5.11 県央) 画像12 托葉は横広の扇形で長くて幅1.2cmほど。先の尖った鋸歯がある。 撮影:(2010.5.11 県央)
画像13 葉縁は曲がった毛が密生してザラザラし、一見微細な鋸歯に見える。 撮影:(2010.5.13 県央) 画像14 葉の先の巻きひげは退化し、小さく突起した葉片として残っている。 撮影:(2010.5.13 県央)
画像15 茎下部の分枝ヶ所には、しばしば固い突起物が残っている。 撮影:(2010.5.13 県央) 画像16 株は地表部で幾つか分枝して伸び上がり、真上或いは斜めに伸びる。 撮影:(2010.5.13 県央)
画像17 花は終わるとすぐに果実の形ができ、周囲の花と同時に観賞できる。 撮影:(2009.4.26 県央) 画像18 熟した果実(豆果)は長さ3cm弱で、中に5個前後の種子がある。 撮影:(2009.6.5 県央)
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