FILE NO 322 宮崎と周辺の植物
ノササゲ Dumasia truncata Sieb. et Zucc.
野ささげ マメ科
撮影日 2001.10.27
撮影場所 田野町

 林縁等の樹木に巻き付くつる性の日本特産の多年草。
 キツネササゲ゙ともいうが、葉の様子や広がりかた、萼の形が他のマメ科の蔓植物とは少し違っているので、比較的見分けやすい。 
 花の色は他のマメ科植物と大きな違いはないが、豆果の色が派手な紫色で、遠くからでも直ぐに目につくし、熟して裂けた莢から見える種子も独特の色で美しい。
 莢が開いても下に落ちない種子は、その色とともに鳥たちへのアピールなのだろうか。
画像1 あまり太い木には巻き付かないが辺りの開けた林縁では、すっきりと展開した薄緑の葉と対照的な紫色の豆果はよく目立つ。 葉は互生し、長い柄を持った3小葉で長卵形、尖った先はやや鈍頭。
画像2 葉はアイロンでもあてたように平べったい3小葉からなり、表面は無毛、
     下面にはまばらに毛がある。花は総状になって多数の黄色い蝶形花がつく。
(撮影:2004.6.26 田野町)
画像3 花は長さ2cmほど、薄い緑色の萼は無毛で長い萼筒の先端は下側が長いので斜めに切れて見える。(撮影:2004.6.27 田野町) 画像4 花弁はみな同じくらいの長さで、長い爪を持ち、旗弁は倒卵形。
(撮影:2004.6.27 田野町)
画像5 果実は豆果で、重みで垂れ下がる。
(以下画像5、6、7、8撮影:2004.11.21 田野町)
画像6 豆果は広線形で鮮やかな紫色、種子のところが膨らんだ数珠状になる。
画像7 豆果は長さ5cm、幅7ミリほどになり、熟すと色が濃くなって、やがて縦に裂けて種子を覗かせる。種子はきれいな円形で直径5ミリほど。 画像8 豆果の色も派手だが、種子の色も独特で、薄花色(色見本帳を参照)と表現したい。
裂けた莢はそのままくるりと丸くなり、種子はそのまま落ちることなくくっついた状態で暫く残る。
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