FILE NO 498 宮崎と周辺の植物
オオバショウマ  Cimicifuga acerina (Sieb. et Zucc.) C. Tanaka
大葉升麻 キンポウゲ科
撮影日 2006.11.4
撮影場所 県北部

 大葉の升麻の意味で、種小名「acerina」はカエデに似たの意で、葉の形から来ている。
 升麻は中国から来ており、風邪の発汗、解熱や痔によく効く生薬として有名らしい。
 和漢三才図会(寺島良安著 島田勇雄他訳注、1990年発行平凡社東洋文庫16)に、葉は麻に似て上昇する性質を持つので升麻というとある。
 升は昇で、これは単味で使用する薬と違って漢方処方に配合し、患部の陽明、太陰経に薬を引導、上行する的薬(ぴったりの薬)になるらしい。
画像1  熟した果実、メタボリック症候群のタツノオトシゴのようだ。
画像2 山地登山道脇の狭い草地で高さ1.3mほど、下部に広げた葉の間から
     細い茎を伸ばし、少し枝を分けて白い花穂を真っ直ぐに長く伸ばす。
   撮影:(2006.9.21 県北部)
画像3 茎下部の葉とその間から伸びた茎。
葉の大きさや花穂の長さはさまざま変化する。
撮影:(2002.9.15 県北部)
画像4 茎先端は長い穂状花序となって、軸の周囲をぎっしりと白いオシベが取り巻いて美しい。 撮影:(2002.9.15 県北部)
画像5 花は軸に直接接して柄はなく、長さ7ミリほどのオシベが多数あるので、中心のメシベは見えにくい。  撮影:(2006.9.24 県北部) 画像6 多数あるオシベを半分ほど取り除いたら長さ3ミリほどのメシベが見えて来る。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像7 ガク片は楕円状で4〜5枚あるが、花が開くと落ちる。 花弁5個も開花後落ちてしまう。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像8 葉は3出複葉で、直径20cmほどの小葉は大小の切れ込みが不規則にある。
撮影:(2002.6.2 大分県)
画像9 葉の上面先端。大小の切れ込みと鋸歯が目立つが毛は殆んどない。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像10 葉の下面基部。脈に白色の短毛があるほかは無毛で脈の目は大きい。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像11 茎の上部には白色の短毛が密生しているが下部は無毛。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像12 茎の基部から20cmほどの高さに葉の幅ほどの長さの葉柄が3出複葉となって出る。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像13 ペンギン形の果実は袋果で高さ8ミリほどの大きさ、軸を螺旋状に取り巻いて殆んど隙間なくつく。 撮影:(2006.11.3  県北部) 画像14 未熟な果実。先端で横向きになった長さ約1ミリの花柱周辺は黒く、緑色の果体と塗り分けられたよう。  撮影:(2006.11.3  県北部)
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